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案内の謎(4)「沢を降った先にあったもの」 


  案内を「反対側の沢」とした場合、そのような地名を名付けるべき基点は、小田原丘陵を挟み案内沢と反対側の場所となる。それを仮に泉区の市名坂付近とすれば、そこから案内川の向こう側にあったものは何だったのだろうか。

 まず、思いつくものに多賀城がある。ただし市名坂からの方向で言えば、多賀城は小田原丘陵の反対側と言うよりも七北田川の下流端であり、必ずしもその行程に案内を経由する必要がない。むしろ案内への経由が必要となるのは、多賀城の前進であり仙台市郡山にあった陸奥国府であろう。

 この国府は600年代半ばに築かれたようで、多賀城が開かれる724年まで国府として使われた。さらに近隣にある南小泉遺跡からは、弥生時代から古墳時代まで続く大集落跡が見つかっており、近隣の富沢遺跡からは大規模な水田跡も見つかっている。
 つまり、この地域は相当古くから大和式の文化が及んでいたことが想像されるのであり、案内沢の向こう側には、大和文化の地があったと考えて良いわけだ。その意味でも「案内」は、最南端のアイヌ式ナイ地名であったのかもしれない。



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 遠見塚古墳 、宮城県仙台市若林区遠見塚にあり、南小泉遺跡に隣接する。4世紀末~5世紀初めに造られたと推定され、全長110mの前方後円墳である。名取市にある雷神山古墳と併せ、大型前方後円墳の限界線に位置する古墳とされている。


 もう一つ、案内の向こう側にあったものがある。それが田子だ。

 かつて田子は多湖と呼ばれ、大小無数の沼があったであろうことは以前のブログに記した。そこは鮭など様々な生物を育む楽園であったと記したが、狩猟が重要な生業であった蝦夷にとっても、そこは楽園であったはずである。

 それほど古い時代に遡らなくとも、1970年まで田子から案内沢にかけては日本最大級の雁の飛来地があった。その後、国道4号バイパスの建設や、水田に農道が整備されたことで雁は飛来しなくなったが、このように私達人間の生活は、自然の環境を改変しつづけているのである。

※仙台市から消えた雁の飛来地については『雁よ渡れ』(2006.2.16、著/呉地正行、どうぶつ社)において、「福田町の悲劇」とし紹介されている。

 いずれにしても、小田原丘陵の向こう側には大狩猟場があり、かつての蝦夷たちは、案内沢を目印にしながら、その狩猟場に向かったのではないか。
 そして、その狩猟場は郡山遺跡付近に広がっていた大和文化の人々が生活する場所にほど近かった。そのため蝦夷と大和の緩衝地帯となり、蝦夷たちは、常にはそこで生活しておらず、鮭が遡上する秋から渡り鳥が多く飛来する冬にかけ、季節労働的に、その狩猟場に向かったのではなかったかと想像したくなるのである。



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 宮城県北にある伊豆沼の早朝、ガンの飛び立ち。この伊豆沼のある地域は現在でも国内屈指の雁の飛来地になっている。



 全ては、案内周辺地形の特徴や史跡から想像するストーリーでしかない。それでも、そのストーリーを想像する過程で、かつてあったはずの様々な風景がありありと蘇ってくるのである。地名には、そのような力が備わっている。

 さて、かつて清流の流れがあったと思われる案内沢の周囲は都市化が進んだ。この地域は仙台市中心部にほど近く、東北本線が通じるといった交通の便の良さから、割と早い時期から開発が進んだようである。現在でも東仙台の街並みには昭和の風情が残る。
 そして、それゆえにこの地域は下水道の整備が不十分なままの都市化が進んだようで、案内沢が注ぐ梅田川やその支流の藤川では、都市化による水質の悪化が問題とされてきた。
 この水質問題を解決するため、市民の有志の呼びかけにより、梅田川の水質浄化の試みが続けられている。「案内」の先にあるもの、それは時代の変化とともに、変わっていくようである。




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 梅田川浄化会による河川浄化イベント、毎年1千名に近い参加者により、河川の浄化活動が行われている。



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カテゴリ : 蝦夷の記憶
2013-03-17(Sun) | コメント : 0 | トラックバック : 0

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