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偽書「東日流外三郡誌」事件 



 古代日本、縄文の正統的伝統を受け継ぐ荒覇吐王国があり、西から進出してきた大和政権と対峙していた。荒覇吐族は阿倍氏と名を替え、大和政権との争いは続いたが、徐々に北に追いやられるが、青森県津軽地方の十三湊に拠点を構え、海上貿易で富みを築く。しかし、その繁栄は突如襲った津波により消失した。この秘史は津軽地方の農家の天井裏から発見された膨大な古書に記されており、これを東日流外三郡誌と言う

 言うまでもなく東日流外三郡誌(以下『外三郡誌』と標記)は偽書である。その内容は誇大妄想で、冷静になってその内容を読めば(冷静にならずとも)、信ずるに足るものでないことが良く理解できる。
 種を明かせば、この「外三郡誌」は詐欺的骨董職人が自ら筆を執った捏造古書であり、その顛末が『偽書「東日流外三郡誌」事件』(以下『偽書事件』と標記)で丁寧に紐解かれている。それにしても、なぜこのような、偽書を少なからずの人が信じたのか?『偽書事件』では次のように記している。

「青森県人、そして東北人の歴史的コンプレックスにつけ込んだのが『外三郡誌』なのです。」(偽史 研究家 原田実)

 確かに東北、特に青森・秋田・岩手の北東北の歴史は、日本の中にあっては大和政権の力が及ぶのが遅く、続日本記など正史への登場も遅かった。このため鎌倉時代以前の記録が不明確であり、それゆえに正史とは別の、何か別の秘史があったのではなかったかと想像をかきたてるものがある。
 そしてまた、その秘史にこそ、辺境と言われた「みちのく」の尊厳が隠されているのではと、期待を抱かせてしまう面が確かにある。

 もう一つ、『偽書事件』によれば、

「素晴らしい東北の自然と歴史を、大和朝廷の侵略によって台無しにされたという論理は東北人の心情に入りやすい」(聖和学園短期大学教授 千坂嵃峰)


 この感情については、東北人が抱くものというより、むしろ東北の外から東北を見つめる人々において、より強い思いを抱かせる感情ではなかろうか?
 例えば『偽書事件』では、昭和末期におけるオカルトブームの時流に乗ったのが『外三郡誌』だったとしているが、隠され秘史というテーマは、東北内外にかかわらずオカルトマニア一般にとって興味がそそられる対象であったろうし、同様に大和朝廷といった中央に地方が侵略されたという構図は、左翼市民勢力活動家が入り込むにも、好都合なテーマだったように感じられる。
 そしてもう一度、東北人自らに視点を戻せば、このような『外三郡誌』を取り巻く怪しげブームに便乗し、これを村おこし活動に利用しようとした、思慮の足りない動きがあったことも、肝に銘じおくべきだ。

 それにしても、『外三郡誌』は罪深く、この偽書は漠然とした古代東北の歴史をオカルト的好奇心の対象としてしまい、結果として一層古代東北の姿を不明にした。

 今一度東北の歴史に目を転じると、宮城北部では奈良時代末まで、岩手県では平安時代中期頃まで蝦夷の暮らしが色濃く残っていたが、除々に大和文化に染まっていった。それでも前九年後三年の役を経て、平安末期頃には蝦夷の血を継いだ平泉文化が華開くが、これも源頼朝に滅ぼされ、東北の地は鎌倉武士団により割譲されるに至る。
 
 つまり大和政権、鎌倉政権と二度に渡り、東北の歴史は断絶しており、それ以前の歴史に不明な部分が多くなったが、考古学にも民俗学にも、その歴史を少しでも明らかにする手だては遺されている。
 また、このような学術的成果を待たなくとも地域の民話、暮らし、風習にも古代蝦夷の伝統は東北人のスピリットに引き継がれているはずであり、そこからも「いにしえの蝦夷」をたどる手だては残されているはずであろう。何も『偽書』の力など借る必要はないのである。



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カテゴリ : 蝦夷の歴史
2013-01-02(Wed) | コメント : 1 | トラックバック : 0

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2014-05-08 21:13 |  |    [ 編集 ]

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