スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
カテゴリ : スポンサー広告
--------(--)

多賀城の東「貞観津波と蒲生干潟」 

 多賀城の東方には塩竃港があるが、多賀城の盛衰としてより重要なのが七北田・砂押川の河口である。
 かつてこの河口には、湾と見間違えるほどの広い水面があったはずである。


afb91f5c.gif

奈良時代頃の多賀城周辺の地形(想像図)




◆貞観津波
 多賀城の前身である郡山が大津波で崩壊しただろうことは多賀城の立地と地名で記した。これは西暦700年代初頭と想像されるが、西暦869年、再び大地震があり巨大津波が多賀城周辺を襲った。これを貞観津波と言う。

 六国史の「日本三代實録」には、この貞観津波の記録がある。これを簡単に紹介してみる。

  5月26日、陸奥国に大地震あり。
  人、伏して起きあることできず、
  崩壊した建家の下敷きになり、圧死する人々、
  地割れに脚をとられ、もがく人々。
  牛馬はあてど無く駆け廻り、
  崩壊した城郭、倉庫、門櫓、城壁、数えきれず。
  海口咆吼し、雷鳴に似た海鳴り沸き上がり、津波来る。
  瞬く間に城下に至り、海より数十百里を遡る。
  原野、道路、瞬く間に霧散し、
  船に乗れず、山に登れず、溺死者一千ばかり。
  それまでの資産、殆ど無に帰す。

 郡山と違い、多賀城は高台にあったから津波の難を逃れることができた。しかし、その城下の繁栄はことごとく失われたようである。
 多賀城の城下街は七北田・砂押河口の舟運の利もあり、大きく繁栄していたようだが、それが瞬く間に消滅した。

 貞観津波は現在の国道4号バイパス付近(海岸から5km程度)まで押し寄せたようで、現在の利府や岩切も大きな被害を受けたであろう。

 仙台市では平成17年度に宮城県沖地震により想定される津波の遡上シュミレーションを行っており、これによるとやはり海岸から5km程度、津波が遡上する結果が得られている。

 現在は、河川堤防が嵩上げされているから、貞観津波に比べれば、津波の脅威は小さくなったと言える。もっとも、当時に比べ十数倍の人間が貞観津波の浸水域で生活してはいるが。

◆蒲生干潟
 さて、現在の七北田川河口付近が江戸時代に付け替えられたことは、多賀城の周囲で紹介した。
 しかし、これは自然の理に反した付け替えであったようで、七北田川は常に砂州の閉塞に悩まさ続けたきた。川が運ぶ土砂で、河口が埋まっていくのである。
 そのため七北田川河口には広々とした砂浜が形成されたが、その後、上流にダムが建設され、土砂の排出が安定した。
 また仙台港の開港により、七北田川はさらに南側に付け替えられ、これが結果として河口部に干潟を創出させるに至った。これを蒲生干潟と呼ぶ。

 干潟には浅瀬が広がり、これが広大な葦原を生む、そして葦は育っては朽ちてを繰り返し、多くの有機物を干潟に堆積させる。この有機物を潮の干満が分解する。

 分解された有機物は干潟に守られ海に流出せず、その代わり、膨大な量の低生生物を涵養し、これがさらに多くの生き物を扶養していく。

 つまり干潟では壮大な生命再生産エンジンが稼働しており、豊かな自然があるのだが、ただし蒲生干潟は、七北田川の付け替え、ダムの建設、港湾の整備により生み出された人造の自然の宝庫でもあるのである。

◆自然保護と開発
 現在、蒲生干潟では津波防災のため、堤防の築造が行われている。仙台平野が常に津波に襲われてきた歴史を思えば、堤防の築造は、そこに住む住民にとっての生命線となろう。

 一方で、河川の付け替えやダムや港湾建設の結果として生み出された自然の宝庫、蒲生干潟に生息する自然環境を維持するため、開発は最小限に抑えるべきとの考えもある。

 過去から現在まで続く七北田川河口の開発は、意図せざる結果を生み、そこに住む人々の生活に少なからず変化を与えていくようである。


061f1a38.jpg

蒲生干潟



【記:平成21年11月21日】
【本ブログ転載:平成22年12月11日】

スポンサーサイト
 
カテゴリ : 蝦夷の歴史
2010-12-11(Sat) | コメント : 0 | トラックバック : 0

コメントの投稿

非公開コメント


弊ブログおすすめ
本ブログ登場の方々がお届けします

 農薬を使わないお米、肥料を使わないお米を宮城県から全国に発送します。

B_kumattkofarm.gif

仙台市秋保から無農薬野菜をお届けします。

【2012年産の新米 出荷開始】

B_fureaiS.gif

 いにしえの品種、その野性味が自然栽培でよみがえります。
宮城県色麻町から

【2012年産の新米 出荷開始】

B_bamboo_20120319235249.gif

 自然栽培のササニシキを天日干しにしてみました!おてんとの味わいをお楽しみください。
宮城県色麻町から

【2012年産の新米 出荷開始】

B_woodartbag.gif

 でんでんむしむしカタツムリ、自然栽培の六次産業を目指します!
宮城県石巻市和渕から

プロフィール

2010tariki

Author:2010tariki
【問い合わせ先】

メールは以下の
「A+B+@+C」
になります。
A=tarikino
B=tunagari
C=infoseek.jp

検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。