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蜂群崩壊症候群と管理社会 


 たまたま最近、病虫害に携わる仕事をしている人と話す機会があったので、昨今話題となっている蜜蜂一斉行方不明事件について聞いてみた。そうしたところ、

「オーストラリアから女王蜂の輸入が滞っているので、ただそれだけです。」

とあっさりと返され、それ以上の答え無しとの視線を向けてきた。

 何事もテキパキと仕事をこなしそうな、その人らしい回答ではあるが、至ってマニュアル的な回答で、今ひとつ合点がいかない。で、これもたまたま書店で見つけた『ハチはなぜ大量死したのか』を買って読んでみることにした。

 私の言う蜜蜂一斉行方不明事件は「蜂群崩壊症候群 Colony Collapse Disorder、CCD」が正式名称で、ある日突然、養蜂箱の蜜蜂が一斉に行方不明になる特徴がある。

 これの原因として、

 ・ダニ説
 ・栄養不全説
 ・急性麻痺症ウィルス説
 ・浸透製農薬説
 ・遺伝子組み替え作物説
 ・携帯電話説

 などいろいろ挙げられているが、はっきりとしない。

 この不可思議な現象について、研究者達は上に記したような単一の原因に答えを求めようとしたが、次々と、それら原因は否定されていく。結局のところ、いくつかの原因が相互に作用した結果と考えられているようだ。

 それにしても、奇妙なのは、単に蜂が死ぬのではなく、一斉に失踪することである。

 しかし兆候はある。

「密蜂の行動がおかしい、群がろうとしないし、どこにも行かない、食べようともしない、巣を増強しようともしない。おまけに女王蜂は、本来いるべきでないどこかの片隅に入り込んでしまう。蜂の巣が脳だとしたら、アルツハイマーが進行した姿だ。」

 これが『ハチはなぜ大量死したのか』から引用した蜂群失踪の前兆である。そしてアルツハイマーに冒されたような状態の巣箱と比較し、健康な巣箱では、あてもなく蜂群が蠢いているように見えても実は一つの意志にまとまっていることに気がつかされる。

 もう少し、引用してみる。(下記要約)

 バイオエタノールの需要が増え、サウスタゴダはトウモロコシと大豆とヒマワリ畑だけになった。
 アーモンド景気に湧くカリフォルニアには、ひたすらアーモンド畑だけが広がり、極端に生態系が単純化された大地がある。そこでは大量の蜜蜂がアーモンドの受粉にいそしんでいるが、もしウィルスに冒された蜜蜂が侵入すれば、あっという間に蜜蜂全体にウィルスが蔓延するだろう。
 蜂の消化器には、私達人間と同様に善玉菌があり体調のバランスを保つために重要な役割を果たしている。しかし蜜蜂を安価に養うため与えられるコーンシロップ、病気から予防するために与えられる抗生物質は善玉菌を減らしていき、蜜蜂の自然治癒力を奪っていく。
 アメリカで営まれるすべての農業は、自然な営みに根ざしたプロセスを工業的ビジネスモデルに無理やのあてはめようとして、もがいている。


 何が原因なのかはっきりとしない蜂群崩壊症候群であるが、その原因を追及していけば、いびつなアメリカ農業の姿が浮き彫りになってくる。

 さらにまた、自然の営みを無視した農業の工業的ビジネス化は自然保護活動にまで及んでいく。

 かつてフロリダの湿地帯ではメラレウカとコショウボクの花が咲き乱れ、貴重な養蜂場となっていたが、これら低木が外来種だとの理由から、州政府は除草剤を用いた殲滅作戦をくり広ろげている。

「なんであんたたちに、残す植物と根絶やしにする植物の線引きをする権利があるのんだ?」

 と、『ハチはなぜ大量死したのか』で養蜂家は憤る。

 ここまで読んで、ストレスの充満した現在の人間社会とアメリカの蜜蜂が良く似た状況にあるように感じられてきた。

 「成果主義?コンプライアンス?禁煙?ゴミ分別?エコ?メタボ解消?あげく空気読めだと!?」

 「バカバカしくてつきあってられん。こうなったら俺は俺のやりたいように生きる、あばよ管理社会!俺は山に籠もるから、あとは勝手にやってくれ。」

 こんな感じで、どかっに蜜蜂が飛び去って行ったのが、蜂群崩壊症候群ではないかと思えてくるのである。

 このような危機的なアメリカの蜜蜂業界にあって、救いを感じさせるのが極東ロシア原産の蜜蜂である。

 この蜜蜂は西洋蜜蜂に比べれば逞しく、自らダニを駆除するなど蜂群としての復元力が強い。ただし、蜂蜜を採取するには性格が気まますぎ、養蜂としての生産性はよろしくない。つまり管理社会で生きるには、マイペースすぎるのが極東ロシアの蜜蜂なのである。

 これは日本蜜蜂も同様であり、日本蜜蜂も生産性に関して西洋蜜蜂に及ばない。しかし世界最強の昆虫と言われるスズメバチへのディフェンスができるのが日本蜜蜂で、この特技があるがゆえ現在に至っても、日本蜜蜂は西洋蜜蜂に駆逐されず生き続けている。

 極東ロシアの蜜蜂にしても日本蜜蜂にしても、養蜂といった視点から考えれば「ズレた生き方」をしていると言えるが、人の力を借りずともダニやウィルス、あげくスズメバチにまで打ち勝つ逞しさを持っている。

 顧みて、我が日本社会を考えれば、決して生産的な性格ではないものの、一芸に秀でていたり、あるいはズボラであっても健康な身体を誇っていたりと、このような人間の多様性が評価されているのかどうかが心もとない。

 とにもかくにも行儀が良くて生産的な人間になるよう、世の中は箸の上げ下げまでいろいろと干渉してくる。これは生産から流通までことごとく自由が阻害される農業についてはなおさらである。

 話は変わるが著名な格闘家、ヒクソングレーシーのインタビューを何かの雑誌で読んだことを思い出したので紹介してみる。

「日本人は礼儀正しく秩序がある。それ対してブラジル人は決して礼儀正しくもないし、日本ほど秩序があるとも言えない。しかし、どうがんばっても日本人がブラジル人に勝つことのできないことがある。」

「日本人は『こうすべき!』との義務感でスポーツを行っている。一方で、ブラジル人は『こうしたい!』との願望からスポーツをしている。」

「『義務感』と『願望』、いずれの志が最終的な勝利を獲得するか、意見の分かれるところだが、最後のギリギリのところで、たぶん『願望』は『義務感』に打ち勝つだろう。」

 良くは覚えていないが、確かこんな内容だったと思う。

 『こうすべき!』型思考より、『こうしたい!』型思考のほうが、より「自然」でバランスがあるように思える。

 そして管理社会とは『こうすべき!』型思考が肥大化した社会であろうし、このような社会が極限まで進めば、いずれ蜂群崩壊症候群のように、人間社会は崩壊の道を進むのかもしれない。

 このように蜂群崩壊症候群の出来事には、単に養蜂界のみの問題だけではなく、人間社会に対しも様々な示唆を与えているように思えるのである。
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