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我が大地、セシウムのその後「無農薬稲作への影響、田でん虫むし木村農園から」  


 原発事故による放射性物質の拡散、安全の食べ物を・・・

 そんな思いで一緒に無農薬稲作について情報交換をしている農家が石巻市にいる。

 「セシウムについて意見を聞きたい。」

 田でん虫たんぼのお米の木村水田で、石巻市の旧河南町和渕にある。

 9月10日、木村水田の稲穂は順調に登熟していた。例年に比べれば、出来の良い稲である。



P9100040.jpg




 今年の無農薬の稲作について、私の見た限りでの傾向となるが、不思議にどの田んぼも作柄が良い。これで放射性物質の汚染さえ騒がれなければ、数年来苦労して取り組んできた無農薬稲作農家の苦労も報われるのだが・・・

 今年の3月11日、石巻市は東日本大震災により甚大な被害を受けた。木村水田も石巻市にあるが、内陸部のため、直接の被害は受けていない。

 「知り合いのところに米やいろいろな物資も運んだ、たいした量ではないよ、出来る範囲でね。」

 もしかしたら、これはあまり知られてないことなのかもしれない。被災地では、全国のボランティアから様々の支援をいただき、この活動は度々報道されている。その一方で地元の農家や様々に人達による地道な支援活動は陰に隠れている。

「いちおう水田土壌の放射性物質の調査もしてみた。」

 木村水田のある石巻市は、宮城県内でも放射性物質があまり飛散してこなかった地域である。しかし、調査をすれば、具体的な数値が検出される。といっても、高い数値ではない。

「つきあい先の米卸業者でもね、風評被害はあるようだけど、仕方無いしね。」

 原発事故後、様々に報道される放射能汚染に関わる各種数値、それをどう評価するか混乱が続いている。
 混乱の原因には、過剰に放射能汚染を騒ぎ立てるマスコミや学者の言動があるし、切実な疑問に答えないまま、言葉足らずに「問題ない」と答え続ける政府の対応にもある。

 しかし、私自身が一番の問題と感じるのは、教育レベルがあがり、インターネットから各種情報を気軽に取得できるインフラを得たのにかかわらず「放射能」という言霊を恐れ、自分の頭で考え判断しようとしない人達の「とまどい」にある。なんで花火や薪や、その程度のことで放射能騒ぎが起きてしまうのか。

「そうは言っても、うちらは消費者の支持があって稲作を続けているからね。消費者を信じるしかない。」

 木村氏の確信である。

 私自身にもとまどいがあるのかもしれない。

 田んぼに立った木村氏は一枚水田を眺めた。毎年「イネトツムシ」に悩まされる田んぼである。

「今年もイネトツムシは出てるけど、たいしたことはない。」



P9100039.jpg

9月10日、木村水田の稲




P9100037.jpg

木村水田も今年は作柄が良い




 木村氏の自宅でお茶をいただいていると嫁さん登場。
 毎度、ただ飯をご馳走なっているゆえ丁寧に挨拶したが、嫁さんは以前より肌つやが良い。

「あれ~奥さん、一層べっぴんになったんでない?」

 断っておくが、これは「今後ともただ飯をよろしく」などとせこい下心で言ったのではない。素直な感想として延べた。
 そう言うと、ニコニコした表情で奥方。

「え~???」
「そう言えば最近、草刈りにはまってて、それが効果あるのかな? やっぱりフィールドで体を動かすのがあってるみたい。」

「除草機振り回して?」

「そう毎朝スカッとするのよ~これが、田んぼの畦がきれいなるのを見てるとね。難しいこと考えずにすむし。近所のおばちゃんにも感心されるし。」

 そもそもがスポーツウーマンの彼女のことなので、家の中にいるよりも、大空の下で汗を流すのが合ってるのだろう。体を動かし、それが生活の役に立ち、周りからも認められる。

 なるほど、確かに一番の美容法なのかもしれない。

 ・放射能汚染
 ・良い作柄の米
 ・忘れられた絆の復活
 ・日々の生活の変化

 良いも悪いも、いろいろあるが、今日昨日と確実に日々は流れていく。セシウム半減期30年などと聞けば「うん~」と唸るが、気にしたってしょうがないこともある。

 今年の米価がどう出ようと、木村水田の未来は明るい。

 そい思い、木村水田を後にしたのであった。



[放射性物質の調査状況について]

・ 平成23年産新米についての放射性物質調査の結果、木村水田のある石巻市での放射性セシウムは不検出であり、安全性が確認されたため、平成23年9月21日より米の出荷・販売等が可能となっております。

・ 宮城県内の放射性物質調査の結果と木村水田の位置関係については、こちらをご確認ください。

・ 宮城県内水田の放射能汚染状況はこちらをご参照ください。

・ 今回原発事故による放射能汚染と食べ物の関係についは、こちらをご参照下さい。



平成23年産の新米予約受付開始します。
(10月下旬頃から出荷予定です!)
 田でん虫むし田んぼのお米 



 農薬を使わないササニシキネットワーク「ササライス」

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今年の二山耕起と稔り、年間契約の皆様へ 

 こんにちは、ライスフィールドのマスターです。

 年間契約のみなさまへ。

 毎月、ありがとうございます。

 心配された放射能検査も、検査の結果となり、私の色麻町も出荷解除になりました。

 天候にも恵まれ、10月中旬には稲刈りができそうです。

 ※ジャズ田力は10月下旬から、おてんと米は11月下旬から発送見込みです。

 今年の春は初心に帰り、二山耕起で田んぼを乾かしました。

 おかげで久しぶりに充実した稲穂に育ってくれました。

 自然栽培を始めて9年目
 
 今年やっと、このままいけそうな感触をつかめたような気がします。



平成23年、9月7日稲穂です。

P9070026.jpg




P9070030.jpg




P9070033.jpg



[放射性物質の調査状況について]

・ 平成23年産新米についての放射性物質調査の結果、ライスフィールド浦山水田のある色麻町での放射性セシウムは不検出であり、安全性が確認されたため、平成23年9月17日より米の出荷・販売等が可能となっております。

・ 宮城県内の放射性物質調査の結果と浦山水田の位置関係については、こちらをご確認ください。

・ 宮城県内水田の放射能汚染状況はこちらをご参照ください。

・ 今回原発事故による放射能汚染と食べ物の関係についは、こちらをご参照下さい。



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カテゴリ : 自然稲作
2011-09-25(Sun) | コメント : 0 | トラックバック : 0

我が大地、セシウムのその後「食品からの被被爆量と内部被爆量の合計、許容できる外部被爆量について」 


 以上、飲料水含め、各品目毎の食べ物から年間当たりの内部被爆量について算定してみた。これらをまとめてみると以下になる。



水道
  2kg/day×2Bq/kg×0.006 = 0.024mSv/year
野菜
 0.25kg/day× 20( 40)Bq/kg×0.006= 0.030( 0.060)mSv/year
果樹
 0.02kg/day× 60( 150 )Bq/kg×0.006= 0.007( 0.018)mSv/year
特用林産物
 0.01kg/day× 300( 500)Bq/kg×0.006= 0.018( 0.030)mSv/year
水産物
 0.05kg/day× 230( 500)Bq/kg×0.006= 0.069( 0.150)mSv/year

 0.05kg/day× 50( 50)Bq/kg×0.006= 0.015( 0.015)mSv/year
乳製品等
 0.06kg/day× 50( 50)Bq/kg×0.006= 0.018( 0.018)mSv/year
牛肉
 0.01kg/day× 300( 300)Bq/kg×0.006= 0.018( 0.018)mSv/year
豚肉
 0.02kg/day× 300( 300)Bq/kg×0.006= 0.036( 0.036)mSv/year
鶏肉
 0.02kg/day× 40( 40)Bq/kg×0.006= 0.005( 0.005)mSv/year
小麦
 0.01kg/day× 200( 200)Bq/kg×0.006= 0.012( 0.012)mSv/year
大豆
 0.002kg/day× 10( 20)Bq/kg×0.006= 0.000( 0.000)mSv/year

 0.001kg/day× 60( 60)Bq/kg×0.006= 0.000( 0.000)mSv/year

 0.164kg/day× 40( 100)Bq/kg×0.006= 0.039( 0.098)mSv/year

※上記式:品目毎日消費量×品目毎基準ベクレル×換算値=品目毎年被ばく量
※品目毎基準ベクレルは宮城県、栃木県、茨城県の放射線調査結果から特異的に大きな値を除いた最大値で設定した。同様に( )内は福島県の値である。


以上から被ばく量を合計すれば、

 飲料水、食べ物からの年被ばく量=0.290mSv/year

となる。問題は、この値をどう評価するかになるが、以前のページでICRPが上限とする年間被ばく量(自然からの被ばく量を除く)は1mSvだと紹介した。

 そして 以前のページで日本の自然放射線量(自然からの被ばく量)は1.48mSvあり、これに対して世界平均は2.40mSvで、この差はおおよそ1mSvあると紹介した。

 以上から、放射線からの社会的・健康的リスクを無視できる上限値を自然被ばく量+1mSvとした場合、この0.29mSvという値は1mSvの3割を占めることになる・・・

 これだけでは、まだこの3割が高いが低いか判断できない。
 と言うのは、この被ばく以外にも、今回原発事故では、空間からの外部被爆を計上しなければならないし、それ以外の被ばく、例えば放射性物質を含んだ粉塵の吸入による被ばくや想定せざる被ばく、これらを合計して評価せねばならないからである。

[その他被ばく量]
 その他被ばく量は、放射性物質を含んだ粉塵の吸入や想定せざる要因により被ばくする可能性を含むものとし、試算せず(試算できない)一方的に1mSvの2割、0.2mSvとして設定する。

[許容できる外部被爆量]
 繰り返しとなるが自然放射線量の合計は日本の平均年自然放射線量1.5(≒1.48)mSvであるから、今回原発事故により増加する被ばく量を年間1mSvに留めようとした場合、自然からの被ばくを加えた総被ばく量は2.5mSV/yearに留める必要がある。
 現在のところ、被ばく量は下記まで試算・設定した。

 ・飲料水、食べ物からの被ばく量が0.3mSv(≒0.29mSv)
 ・その他要因からの被ばく量を0.2mSv

 これらに自然放射線量を加えれば、合計で2.0mSvとなるから、残すところ許容できる年被ばく量は0.5mSvになる。これを全て空間からの外部被ばく量に充てれば、その時間あたり放射線量は

 0.5mSv/year÷(365day/year×24hour/day)×1000μ/m

 =0.057μSv/hour

となる。
 これに、原発事故以前における大地からの空間被ばく量0.053μSv/hour(=0.46mSv/year)を加えれば0.110μSv/hourとなる。


0.11μSv/hour 
※原発事故により増加する被ばく量を1mSv/year以内留めるために許容できる大地からの空間放射線量(大地から受ける自然放射線量を含む。)




 果たして、皆さんの生活している地域の空間放射線量はどの程度になっているのか、

 こちらのウェブサイト「全国の放射能濃度一覧」で確認していただきたい。

 もし空間からの放射線量が0.11μSv/hour以上であるなら、自然からの被ばく量を除いた年間当たり被ばく量が1mSvを越える可能性も出てくる。
 さて、いかがでしょうか?






▼被ばく量計算目次
被ばく量の各種基準値 / 1ミリシーベルトについて / 被ばく量の計算方法 / 被ばく量の総合評価
【各品目毎の被ばく量計算】
水道 / 野菜 / 果樹 / 特用林産物 / 水産物 / / 乳製品等 / 牛肉 / 豚肉 / 鶏肉 / 小麦 / 大豆 / /
※「我が大地、セシウムのその後」では2011.9までに公表された調査データを基に試算しております。




 

我が大地、セシウムのその後「米からの被爆量について」 


 このページで、食品からの被ばく量算定は最後となる。最後の試算は、私たちの主食、米について算定する。

[一人当たり米の消費量]
 日本人の米消費量は玄米ベースで年間60kg(精米の場合はこれに0.9を乗じればよい)であるが、このソースはあえてリンクしない。本ブログはそもそも稲作をテーマに始まっており、著者としては、この60kgという数字が頭にたたき込まれているし、様々な思いがある。

 60kgとは米一俵の重さである。ずいぶんキリの良い数字だが江戸時代では、人一人を養うための米は2.5俵が目安であった。2.5俵とは一石のことで、つまり伊達100万石と表せば、それは100万人を扶養できる石高を意味する。もっとも年間2.5俵も米を食えば脚気になり、当時の江戸町民は十分に米を食べていたようで、江戸患いなる脚気が流行した。

 当時日本の8割と言われた農民にとって米は自給作物というより換金作物で、収穫した米の大部分を年貢に出し、自分達は雑穀に米を混ぜて食べた。だから脚気にならなかった。よく玄米を食べたから脚気にならなかったと言われるが、それは誤りで、そもそも脚気になるほど米も玄米も食えなかっただけである。

 余談はそれくらいにして、日本人は米を年間60kg食べる。そうなれば一日食べる量は

 60kg÷365day=0.164kg/day

となる。

[玄米の放射性基準ベクレル]

宮城県の平成23年度新米調査(本調査)ではほとんどが不検出であるが、最大で100Bq/kgを越える検体が一個、その他20Bq/kg程度の検体が数個ある。検出限界は20Bq/kgとあるが、Cs134と137を合計し、実質40Bq/kgと判断する。


栃木県の新米本調査もほとんどが不検出だが、1検体のみ30bq/kg以下の放射性セシウムを検出している。検出限界は宮城県と同様である。


・ 同様に茨城県の調査では3検体が放射性セシウムを検出し、20~90の値を示す。検出限界も同じ実質40Bq/kgである。


 茨城県と宮城県では40Bq/kgを越える検体が各々1個若しくは2個あったが、米の調査件数は多く、基準ベクレルについては、そのほとんどが下回る実質検出限界の40Bq/kgに設定する。

[玄米からの年当たり被ばく量]
 以上から、玄米からの年当たり被ばく量を算定すれば下記となる。
 
 0.164kg/day×40Bq/kg×0.006=0.039mSv/year

 この値は、年間被ばく限度量を1ミリシーベルトに制限した場合、その制限値の3.9%程度である。この数値は玄米の場合での値であり、これを精米すれば、半分程度の値に収まる。

(玄米とヌカについて)
 ちなみに玄米はその表皮に比較的多くの放射性物質を含有する。もともと玄米は表皮にミネラル分を豊富に含むが、放射性セシウムもミネラルの一つとして、表皮に蓄積するわけだ。
 そして玄米を精米する過程で生じる「ヌカ」は放射性セシウムの含有割合が高くなる。そうは言っても、年間当たりの玄米の被ばく量は、上記に示したとおりである。年間に食べる米の量から得られるヌカ以上の量(6kg/year以上)を摂取しないかぎり、ヌカについてもあまり気にする必要がないであろう。しかも、ここで言う摂取とはヌカそのものを食べる意味であるから、ヌカ漬けなどはなおのこと問題とならない。

[福島県産の玄米について]
 福島県では、大部分の新米が不検出であるが、しばしば放射性セシウムが検出されている。その値のほとんどは、50Bq/kg以下であるが、100Bq/kg前後の値を示した検体も数個ある。
 以上から判断し、福島産の玄米の基準ベクレルは100Bq/kgに設定する。




▼被ばく量計算目次
被ばく量の各種基準値 / 1ミリシーベルトについて / 被ばく量の計算方法 / 被ばく量の総合評価
【各品目毎の被ばく量計算】
水道 / 野菜 / 果樹 / 特用林産物 / 水産物 / / 乳製品等 / 牛肉 / 豚肉 / 鶏肉 / 小麦 / 大豆 / /
※「我が大地、セシウムのその後」では2011.9までに公表された調査データを基に試算しております。




 

我が大地、セシウムのその後「緑茶からの被爆量について」 


[一人当たり緑茶の消費量]
 農林水産省に報告資料によると、国内で消費される緑茶の自給率は92%である。一方で統計局の家計調査によれば、一人当たり緑茶購入量0.353kg/yearである。
 これらから一人当たりの被ばく量を算定すると

 0.353kg×0.92÷365day=0.001kg/day

となる。

[緑茶の放射性基準ベクレル]

・ 茶は宮城県でも生産されており5月(60Bq/kg)と6月(383Bq/kg)、それぞれ1回ずつ調査結果が報告されている


・ 栃木県の茶では、不適合とされる基準値以上の放射性セシウムが度々検出されており、7月14日の報告資料には「栃木県では、鹿沼市、大田原市及び栃木市の茶について、現在出荷を自粛しています。」とある。いずれの調査報告でも茶からは放射性セシウムが検出されており、その値は230~890Bq/kgと高い値を示している。


茨城県の茶についても放射性セシウムは高く、220~1,030Bq/kgと高い値を示す。茨城県で特筆に値するのが実際に飲料に供する場合の抽出液について放射性物質の検査を行っていることであり、その値は2~56Bq/kgの値を示している。

 以前にも記したが、この茨城県の緻密で消費者視点の調査報告は、大変すばらしい対応と言って良いと思う。

 さて、以上から茶の基準ベクレルを定める。茨城県の調査結果では飲料に供する抽出液から算定した茶葉の放射性物質検出結果があり、この最大値を採用して基準ベクレルを60Bq/kgとする。

[茶からの年当たり被ばく量]
 以上から、茶からの年当たり被ばく量を算定すれば下記となる。
 
 0.001kg/day×60Bq/kg×0.006=0.0004mSv/year

 であり、茶からの被ばくはほぼ問題とならない。

[福島県産の茶の放射性基準ベクレル]
 福島県では、3個の調査結果があり、そのうち一つは暫定基準値を超過している。それらの値は230~930Bq/kgで茨城県と同様のレベルであるから、基準ベクレルも上記の試算結果同様に60Bq/kgとする。




▼被ばく量計算目次
被ばく量の各種基準値 / 1ミリシーベルトについて / 被ばく量の計算方法 / 被ばく量の総合評価
【各品目毎の被ばく量計算】
水道 / 野菜 / 果樹 / 特用林産物 / 水産物 / / 乳製品等 / 牛肉 / 豚肉 / 鶏肉 / 小麦 / 大豆 / /
※「我が大地、セシウムのその後」では2011.9までに公表された調査データを基に試算しております。




 

我が大地、セシウムのその後「小麦、大豆からの被爆量について」 


[一人当たり穀類の消費量]
 農林水産省の食料需給表(平成21年度)で報告される小麦と豆類それぞれの消費量及び、国内生産量と輸入量(被ばく量の試算からは除外する)から、一人一日当たりの被ばく消費量を計算すれば、下記となる。

注)以下、一日一人当たり消費量×国内生産量÷(国内生産量+輸入量)
小麦:0.0872kg×674千t÷(674千t+5,354千t)
   =0.010kg≒0.01
豆類:0.0235kg×320千t÷(320千t+3,679千t)
   =0.002kg

 本ページでは米を除いた穀類全般からの被ばく量を試算するが、とうもろこし、大麦、裸麦、雑穀、こうりゃんについは、そのほとんどを輸入でまかなっているため、上記算定から除いている。
 また、ソバについは、年間およそ13万トンが消費され、そして日本の年間生産量は2万トン強と言われいるが、これから算定すれば、ソバにかかる一人一日当たりの被ばく消費量は1g以下(0.4g)であり、被ばく量の試算では無視できる程度の値と判断して今回試算から除外する。

[麦・大豆の放射性基準ベクレル]

宮城県では小麦・大麦の放射性物質調査を公表しており、大部分は不検出だが、稀に放射性セシウムが検出されている。そのうち1回は20Bq/kgを超える値だが、それ以外は10Bq/kg以下である。
 大豆については、また調査が行われていない。ただし未熟大豆であるエダマメの調査データがあり、5検体のうち2検体から放射性セシウムが検出され、その値は5Bq/kg以下である。


・ 栃木県の公表データに小麦・大麦の結果はない。大豆については、宮城県同様にエダマメの結果があり、いずれも不検出である。


茨城県の調査では、大部分の小麦の検体から放射性セシウムを検出している。その値は10~160Bq/kgである。大豆については調査結果が無く、またエダマメの調査結果も見あたらない。ちなみに落花生の調査結果が2つほどあり、いずれも不検出である。

 次に基準ベクレルの設定であるが、小麦についは、茨城県の値から200Bq/kgを基準ベクレルとし、大豆については、まだ収穫前で十分なデータは無いが、エダマメからの値を参考として10Bq/kgとする。

[小麦、大豆からの年当たり被ばく量]
 以上から、小麦・大豆水産物からの年当たり被ばく量を算定すれば下記となる。

 小麦:0.01kg/day×200Bq/kg×0.006=0.012mSv/year
 大豆:0.002kg/day×10Bq/kg×0.006=0.000mSv/year
  ※換算方法は、こちらを参照

 この値は、年間被ばく限度量を1ミリシーベルトに制限した場合、その制限値の1.2%程度で、ほとんど無視できる値だが、これは、小麦、大豆といった作物の大部分を海外から輸入している結果である。

[福島県産の小麦、大豆の放射性基準ベクレル]
 福島県では、小麦・大麦の放射性調査では広野町の小麦から、暫定規制値以上(630Bq/kg)の放射性セシウムが検出されている。それ以外でも、放射性セシウムは多数検出されており、その値はおおよそ40~200Bq/kg程度であるから、基準ベクレルは200Bq/kgする。
 大豆の放射性調査は公表されていない。まだ収穫前だからだろう。ただし、枝豆(未熟大豆)の調査結果は公表されており、大部分は不検出だがまれに20Bq/kg以下の放射性セシウムが検出されているので、基準ベクレルは20Bq/kgとする。




▼被ばく量計算目次
被ばく量の各種基準値 / 1ミリシーベルトについて / 被ばく量の計算方法 / 被ばく量の総合評価
【各品目毎の被ばく量計算】
水道 / 野菜 / 果樹 / 特用林産物 / 水産物 / / 乳製品等 / 牛肉 / 豚肉 / 鶏肉 / 小麦 / 大豆 / /
※「我が大地、セシウムのその後」では2011.9までに公表された調査データを基に試算しております。




 

我が大地、セシウムのその後「肉類(牛肉、豚肉、鶏肉)からの被爆量について」 


[一人当たり肉類の消費量]
 農林水産省の食料需給表(平成21年度)で報告される牛肉、豚肉、鶏肉それぞれの消費量及び、国内生産量と輸入量(被ばく量の試算からは除外する)から、一人一日当たりの被ばく消費量を計算すれば、下記となる。

注)以下、一日一人当たり消費量×国内生産量÷(国内生産量+輸入量)

 牛肉:0.0161kg×516千t÷(516千t+679千t)
    =0.007kg≒0.01
 豚肉:0.0315kg×1,318千t÷(1,318千t+1,031千t)
    =0.018kg≒0.02
 鶏肉:0.0302kg×1,413千t÷(1,413千t+555千t)
    =0.022kg≒0.02

 牛肉、豚肉、鶏肉の消費仕向量合計は5,605千tであるが、肉類全体での消費仕向量は5,662千tであるから、これら三品目で肉類消費の99%をまかなうことになる。

[肉類の放射性基準ベクレル]
 宮城県、栃木県、茨城県の5月以降の果物の放射線量調査結果から基準ベクレルを設定してみるが、牛肉、部肉、鶏肉の三品目に分けて設定する。

(牛肉)

宮城県では8月1日以降、出荷する肉牛の全頭検査を実施し、それ以降の検査では、現在のところ全て暫定基準値(500Bq/kg)以下と報告されている。


栃木県では8月以降、汚染稲ワラ等を給与した疑いのある牛は全頭検査を実施している。
 8月以降の調査では、全て暫定基準値以下の結果となっているが、具体的な放射性物質の検出値は公表されていない。8月以前の調査についても、公表されているが、こちらは放射性物質は不検出である。ただし検出限界は不明。


茨城県でも8月以降全頭検査を実施しており、不検出が大部分であるが、検出された値については小さい値で10Bq/kg以下からあり、30~80Bq/kgの値も多い、100Bq/kgを越える値もある。


(豚肉)

・ 宮城県つにいては豚肉の調査データが見あたらない。


栃木県の公表資料では検査した全ての豚肉が検出限界以下だったが、検出限界は不明である。


茨城県の調査では、調査した検体全て不検出である。検出限界は不明だが、牛肉、鶏肉とも5Bq/kg以下の結果が得られているから、Cs134とCs137の限界値を併せて10Bq/kg程度であろう。


(鶏肉)

・ 宮城県と栃木県については調査データが見あたらない。


茨城県については調査データがあり、一回だけ5Bq/kgの結果があるが、あとは全て不検出である。茨城県は全般的に詳細な数値を公表しており、このような姿勢には好感が持てる。

 以上、宮城、栃木、茨城各県の牛肉、豚肉、鶏肉の結果を調べてみたが、宮城県の牛肉「暫定規制値以下」の公表資料に代表されるように、実際にどの程度の放射性セシウムが検出されているかかはっきりしない。
 このため、肉類の基準ベクレルについては、他の品目の算定とは異なり宮城、栃木、茨城各県の調査結果ではなく福島県の調査結果を基に算定してみる。

[福島県産の調査結果について]
 福島県では、牛肉の大部分が不検出だが、しばしば30Bq/kg程度以下の放射性セシウムが検出され、また150Bq/kgを超える値もあり、に300Bq/kgに迫る値も検出されている。
 豚肉については、6月以降そのほとんどが不検出である。5月の調査では、調査地域が今回事故のあった原発に近接した地域であったためか、その全てが放射性セシウムを検出し、おおよそ50~260 Bq/kg程度の値であった。
 鶏肉については、全て不検出であった。

以上から、下記のように基準ベクレルを設定してみる。

 牛肉:300Bq/kg
 豚肉:300Bq/kg
 鶏肉:40Bq/kg(一般的な検出限界値で大きな値を採用)

[肉類からの年当たり被ばく量]
 以上から、牛肉、豚肉、鶏肉の年当たり被ばく量を算定してみる。

 牛肉:0.01kg/day×300Bq/kg×0.06=0.018mSv/year
 豚肉:0.02kg/day×300Bq/kg×0.06=0.036mSv/year
 鶏肉:0.02kg/day×40Bq/kg×0.06=0.005mSv/year
 合計:0.059mSv/year
  ※換算方法は、こちらを参照

 この値は、年間被ばく限度量を1ミリシーベルトに制限した場合、その制限値の5.9%程度で、他の品目に比べれば比較的大きいが、水産物よりも低い値である。
 基準ベクレルは福島県の調査結果を基にしたので、その他の県についは、この値より低い値になるはすである。




▼被ばく量計算目次
被ばく量の各種基準値 / 1ミリシーベルトについて / 被ばく量の計算方法 / 被ばく量の総合評価
【各品目毎の被ばく量計算】
水道 / 野菜 / 果樹 / 特用林産物 / 水産物 / / 乳製品等 / 牛肉 / 豚肉 / 鶏肉 / 小麦 / 大豆 / /
※「我が大地、セシウムのその後」では2011.9までに公表された調査データを基に試算しております。




 

我が大地、セシウムのその後「牛乳からの被爆量について」 


[一人当たり牛乳及び乳製品の消費量]
 農林水産省の食料需給表(平成21年度)で報告される、牛乳及び乳製品の消費量及び、国内生産量と輸入量(被ばく量の試算からは除外する)から、一人一日当たりの被ばく消費量を計算すれば、下記となる。

注)以下、一日一人当たり消費量×国内生産量÷(国内生産量+輸入量)

 0.0848kg×7,881千t÷(7,881千t+3,491千t)
 =0.059kg≒0.06kg

[原乳の放射性基準ベクレル]
 この基準ベクレルは他の品目と同様に宮城県、栃木県、茨城県の5月以降の果物の放射線量調査結果から設定するが、牛乳及び乳製品としての調査結果が無いため、原乳の調査結果を代替して設定する。

宮城県産の原乳からは度々、放射性セシウムが検出されているが、いずれも10Bq/kg以下の値である。


栃木県の原乳では一回だけ42Bq/kgが検出されたが、それ以外は不検出である。


茨城県の減乳はほとんどか不検出であるが2回だけ、2Bq/kg以下の放射性セシウムが検出されている。


 以上から、できるだけ放射性物質が大きく出るよう、基準ベクレルを50Bq/kgに設定する。

[牛乳及び乳製品からの年当たり被ばく量]
 以上から、牛乳及び乳製品の年当たり被ばく量は下記となる。

  0.06kg/day×50Bq/kg×0.006=0.018mSv/year
  ※換算方法は、こちらを参照

 この値は、年間被ばく限度量を1ミリシーベルトに制限した場合、その制限値の1.8%程度で、他の品目と比べても、あまり高くない。

[福島県産の牛乳及び乳製品の放射性基準ベクレル]
 福島県産の原乳は、5月以降ほとんどんが不検出である。
 検出限界値は10Bq/kg程度以下とある、それなりの精度を有した調査であるが、意外にも福島県産原乳の不検出は多い。
 そして上記リンクでは、「(福島県の)酪農家が、放射性物質に汚染されていない飼料を給与するなど、適正な管理を続けている努力によるものです。」とある。

 私は、この福島県の酪農家の地道な努力を、多くの消費者に知ってもらいたいと願う。

 以上から、福島産の牛乳、乳製品の基準ベクレルは、宮城、栃木、茨城と同様の50Bq/kgとする。




▼被ばく量計算目次
被ばく量の各種基準値 / 1ミリシーベルトについて / 被ばく量の計算方法 / 被ばく量の総合評価
【各品目毎の被ばく量計算】
水道 / 野菜 / 果樹 / 特用林産物 / 水産物 / / 乳製品等 / 牛肉 / 豚肉 / 鶏肉 / 小麦 / 大豆 / /
※「我が大地、セシウムのその後」では2011.9までに公表された調査データを基に試算しております。




 

我が大地、セシウムのその後「卵からの被爆量について」 


 
[一人当たり卵の消費量]
 農林水産省の食料需給表(平成22年度)によると、卵の消費量は一日あたり、0.045kgである。

[卵の放射性基準ベクレル]
 卵については、食品の放射能検査データに掲載されている全国データの中で鶏卵の高い値を基準ベクレルとする。このデータは厚労省公表の『食品中の放射性物質の検査結果について』を転載したものである。
 データによると、5月以降、全国的に鶏卵からの放射性物質は不検出となっいる。掲載されているデータでは、検出限界を50Bq/kgとしているものがあるので、これを検出限界とする。
 このように、鶏卵からの放射性物質が検出されないのは、与えるエサの配合飼料に放射性物質が含まれていないからであろう。

[卵からの年当たり被ばく量]
 以上から、年当たり被ばく量は下記となる。

  0.045kg/day×50Bq/kg×0.006=0.0146mSv/year
  ※換算方法は、こちらを参照

 この値は、年間被ばく限度量を1ミリシーベルトに制限した場合、その制限値の1.4%程度で、あまり気にする必要が無いようである。
 しかも、基準ベクレルは50Bq/kgとしたが、実際はもっと低いだろうから、より一層、卵は安全だと予想される。

[福島県産の卵の放射性基準ベクレル]
 卵についは、福島県の結果も含め上記を計算している。このため、福島産の卵についても、同様に安全だと判断する。




▼被ばく量計算目次
被ばく量の各種基準値 / 1ミリシーベルトについて / 被ばく量の計算方法 / 被ばく量の総合評価
【各品目毎の被ばく量計算】
水道 / 野菜 / 果樹 / 特用林産物 / 水産物 / / 乳製品等 / 牛肉 / 豚肉 / 鶏肉 / 小麦 / 大豆 / /
※「我が大地、セシウムのその後」では2011.9までに公表された調査データを基に試算しております。




 

我が大地、セシウムのその後「水産物からの被爆量について」 


[一人当たり水産物の消費量]
 農林水産省の食料需給表(平成21年度)で報告される、魚介類及び海藻類の消費量及び、国内生産量と輸入量(被ばく量の試算からは除外する)から、一人一日当たりの被ばく消費量を計算すれば、下記となる。

注)以下、一日一人当たり消費量×国内生産量÷(国内生産量+輸入量)

・魚介類:0.0823kg×4,868千t÷(4,868千t+4,500千t)=0.043kg
・海藻類:0.0028kg×112千t÷(112千t+46千t)=0.002kg
 合計=0.045kg≒0.05

[水産物の放射性基準ベクレル]
 宮城県、栃木県、茨城県の5月以降の放射線量調査結果から、基準ベクレルを設定してみる。

宮城県の海水魚では2~20Bq/kgの程度の放射性物質が頻繁に検出されている。淡水魚は海水魚より一桁数値が高く、30~120Bq/kgの放射性物質が検出されているが、300Bq/kgを越える放射性物質が検出された検体もある。


栃木県は、海が無いのでアユなど淡水魚のみの調査結果となるが、おおよそ50~500Bqの範囲で、コンスタントに放射性物質が検出されている。


茨城県では詳細な調査結果を公開している。今回事故により宮城県、福島県の漁港稼働率はかなり低下していると思われるし、宮城県沖は海流の関係からさほど放射能汚染の影響を受けないはすである。
 一方、茨城県の漁港はそれら県よりも稼働率が高く、調査データが豊富と思われ、さらに海流の関係から、福島県からの放射能汚染を直接受ける位置にある。このため茨城県は他県よりも水産物に対する「本気度」が高いのであろう。
 いままでの調査結果で言えば、海水魚に関しては400Bq/kgに迫るなど高い値が検出されているが、概ね200Bq/ka以下の値であり、これは淡水魚も同様の結果である。


 以上、いずれの県でも検出限界値は調査資料に掲載されていないが10Bq/kg以下の調査結果が得られているので10Bq/kg程度であると思われる。

(淡水魚の傾向)
 淡水魚は3県とも少しずつ傾向が異なるが険しい山系を持つ県ほど、放射性物質の値が高い傾向があるようだ。また農産物と異なり、原発事故から期間が経過した8~9月でも、コンスタントに同じような高い値の放射性物質が検出されているのも特徴である。
 このように期間が経過してもコンスタントに値が検出され続けているのは、放射性物質が降り注いだ山の表土から、放射性物質と結合した塵芥が少しずつ(コンスタントに)川に流れ込んでいるからではないだろうか?
 いずれにしても、淡水魚の基準ベクレルは最も高い傾向検出傾向を示す栃木県の結果から、500Bq/kgに設定する。

(海水魚の傾向) 
 次に、海産物であるが、宮城県と茨城県とでは異なった傾向がある。これは海流の方向が異なるためであろう。宮城県では20Bq/kg以下と低いが、茨城県のそれは200Bq/kgと一桁違う値となる。
 海水魚の基準ベクレルについても放射性物質が高い値となるよう、大きな値を取り200Bq/kgに設定する。

(水産物の基準ベクレルについて)
 以上のように水産物の放射能汚染についは淡水魚、海水魚ともに異なったレベルにあるが、食品に共される淡水魚の割合は、海水魚の1割以下と言われている。このため、基準ベクレルはこの割合で淡水魚と海水魚の基準ベクレルを加重平均して230Bq/kgに設定する。

[水産物からの年当たり被ばく量]
 以上から、水産物からの年当たり被ばく量は下記となる。

  0.05kg/day×230Bq/kg×0.006=0.069mSv/year
  ※換算方法は、こちらを参照

 この値は、年間被ばく限度量を1ミリシーベルトに制限した場合、その制限値の6.9%程度で、他の品目に比べれば比較的大きい。水産物の日当たりの消費量は他の品目よりさほど大きくないが、割と被ばく量が高いのは、基準ベクレルが高いからである。
 特に、淡水魚の川魚は汚染のレベルが高いので、ここ数年は川魚の水揚げを抑制し、この機会に水資源の涵養に努めることも大切だと考える。

[福島県産の水産物の放射性基準ベクレル]
 福島県の海水魚についていわき市の結果をみてみると、低い値で100Bq/kg以下が多いが、しばしば暫定規制を越える結果が得られている。このため、海水魚の基準ベクレルは暫定規制値500Bq/kgとするのが適当であろう。
 淡水魚は100Bq/kgを下回る検体もあるが、おおむね100Bq/kg程度であり、しばしば暫定規制値を超える検体も見られる。こちらについても、やはり暫定規制値で基準ベクレルを設定するのが適当なようである。これから算定される年当たり被ばく量は0.15mSvと高い値となる。




▼被ばく量計算目次
被ばく量の各種基準値 / 1ミリシーベルトについて / 被ばく量の計算方法 / 被ばく量の総合評価
【各品目毎の被ばく量計算】
水道 / 野菜 / 果樹 / 特用林産物 / 水産物 / / 乳製品等 / 牛肉 / 豚肉 / 鶏肉 / 小麦 / 大豆 / /
※「我が大地、セシウムのその後」では2011.9までに公表された調査データを基に試算しております。




 

我が大地、セシウムのその後「キノコ、タケノコ、栗などの特用林産物からの被爆量について」 



 特用林産物とは、キノコやクリ、タケノコ、ワサビなどで、これら産物は放射線量の値が高い傾向にあるため、品目として計上することにした。
 前回記事では果物からの被ばく量を算定してみたが、野菜よりは高い値が出ている。これは、植物体が、その果実にセシウムを蓄積しやすい傾向があることを意味していると思われるが、特用林産物のキノコやタケノコなど、発芽して間もないうちに収穫される植物体についても、同様の傾向があるのかもしれない。

[一人当たり特別用林産物の消費量]
 林野庁では、食用に供する特用林産物(キノコ、タケノコ、わさび、くりなど)の平成21年度の生産量を示しており、これの合計は484,533tである。日本の人口は1億2千8百万人であるから、これで割り戻せば、年間一人当たりの林産物消費量は3.8kgであり、一日当たりで0.01kgとなる。

[特別用林産物の放射性基準ベクレル]
 宮城県、栃木県、茨城県の5月以降の果物の放射線量調査結果から、基準ベクレルを設定してみる。

宮城県では、タケノコ10Bq/Kg~180Bq/kg、キノコ類20~100Bq/kg、クリで9Bq/kgの結果が得られている。


栃木県では、5月以降にタケノコの調査結果は無く、キノコ類については5月に調査したシイタケの結果のみが公表され、不検出となっている。


茨城県でも、タケノコの調査結果が見つからない。キノコについては3~280Bq/kgと幅の広い検出結果が得られており、9月13日にはチチタケで8000Bq/kgといった非常に高い放射線量を測定している。クリについては50Bq程度の結果が得られている。


 以上、いずれの県でも検出限界値は調査資料に掲載されていないが10Bq/kg以下の調査結果が得られているので10Bq/kg程度であると思われる。


 これら3県の結果から、特用林産物の放射線量は全般的に高いことがわかる。検出される放射線量も幅が広いが、特異的な値を除いて、基準ベクレルは300Bq/kgに設定してみる。

[特用林産物からの年当たり被ばく量]
 以上から特用林産物の年当たり被ばく量は下記となる。

  0.01kg/day×300Bq/kg×0.006=0.018mSv/year
  ※換算方法は、こちらを参照

 この値は、年間被ばく限度量を1ミリシーベルトに制限した場合、その制限値の1.8%程度で、基準ベクレルが高い割に、年当たりの被ばく量がさほどでもないのは、そもそもの消費量が少ないためである。

 例年と同程度でキノコやタケノコを食べる分には問題ない値であろう。

[福島県産の果物の放射性基準ベクレル]
 福島県産の特用林産物のうち、タケノコの過半は暫定規制値の500Bq/kgを越えている。キノコについは、不検出のものも多いが、暫定規制値を超えているものも多く、これらから判断すれば、福島県産の特用林産物の基準ベクレルは暫定規制値と同じ、500Bq/kgと評価するのが適当であろう。これから算定される年当たり被ばく量は0.030mSvとなる。




▼被ばく量計算目次
被ばく量の各種基準値 / 1ミリシーベルトについて / 被ばく量の計算方法 / 被ばく量の総合評価
【各品目毎の被ばく量計算】
水道 / 野菜 / 果樹 / 特用林産物 / 水産物 / / 乳製品等 / 牛肉 / 豚肉 / 鶏肉 / 小麦 / 大豆 / /
※「我が大地、セシウムのその後」では2011.9までに公表された調査データを基に試算しております。




 

我が大地、セシウムのその後「果物からの被爆量について」 


[一人当たり果物の消費量]
 農林水産省の食料需給表(平成21年度)で報告される、果物の消費量及び、国内生産量と輸入量(被ばく量の試算からは除外する)から、一人一日当たりの被ばく消費量を計算すれば、下記となる。

注)以下、一日一人当たり消費量×国内生産量÷(国内生産量+輸入量)

 0.070kg×1,530千t÷(1,530千t+4,223千t)
 =0.019kg≒0.02kg

である。

[果物の放射性基準ベクレル]
 宮城県、栃木県、茨城県の5月以降の果物の放射線量調査結果から、基準ベクレルを設定してみる。

宮城県では、もも、イチジク、ブルーベリーから10bq/kg以下の放射性物質が検出されている。それ以外に梅から最大で40Bq/kg以上の検出結果が得られている。


栃木県では、ブドウやブルーベリー、梅などからしばしば放射性物質が検出されており、6月7日発表のブルーベリーの32Bq/kgを除けば、おおよそ10Bq/kg前後である。


茨城県では、5月にイチゴで10Bq/kg以下が検出され、ウメについては6月に40Bq/kgを検出、ブルーベリーでは7月で9~33Bq/kgを検出しているが7月29日には195Bq/kgと特異的に高い数値を示している。


 以上、いずれの県でも検出限界値は調査資料に掲載されていないが10Bq/kg以下の調査結果が得られているので10Bq/kg程度であると思われる。


 これら3県は果物生産がそれほど盛なわけでなく、また検出された放射性物質も品目毎に大きな差がある。このため、これら結果から、基準ベクレルを設定するのは難しいが、できるだけ放射性物質が大きく出るよう基準ベクレルを設定するとの方針により、基準ベクレルを60Bq/kgにしてみる。

[果物からの年当たり被ばく量]
 以上から、果物の年当たり被ばく量は下記となる。

  0.02kg/day×60Bq/kg×0.006=0.007mSv/year
  ※換算方法は、こちらを参照

 この値は、年間被ばく限度量を1ミリシーベルトに制限した場合、その制限値の0.7%程度で、基準ベクレルは野菜より大きいが、年間被ばく量そのものは、野菜より小さい値となる。

 基準ベクレルは宮城県、茨城県、栃木県の結果から設定しているので、これら3県及び福島県を除いた地域については、さらに低い値となる。特に、これら3県は、それほど果物生産が盛んではなく、果物からの被ばくについては、なお一層、気にする必要が無いように思われる。

[福島県産の果物の放射性基準ベクレル]
 福島県は果物生産が盛んな県だが、9月の報告資料ではリンゴで10~60Bq/kg、ブドウ10~50Bq/kg、イチジク30~140Bq/kg、カキ40~50Bq/kg、モモ10~30Bq/kg、また5月頃の報告書では梅が80~350Bq/kg、オウトウで40Bq/kg前後と、先の三県に比べれば、高い値の放射性物質が検出されている。
 これらを考慮し、また年間消費量がさして小さいと予想される梅の結果を除いて、基準ベクレルを150Bq/kgに設定する。これから年間被ばく量を算定すれば0.018mSvとなる。




▼被ばく量計算目次
被ばく量の各種基準値 / 1ミリシーベルトについて / 被ばく量の計算方法 / 被ばく量の総合評価
【各品目毎の被ばく量計算】
水道 / 野菜 / 果樹 / 特用林産物 / 水産物 / / 乳製品等 / 牛肉 / 豚肉 / 鶏肉 / 小麦 / 大豆 / /
※「我が大地、セシウムのその後」では2011.9までに公表された調査データを基に試算しております。




 

我が大地、セシウムのその後「野菜からの被爆量について」 


 野菜については、原発事故直後の3月は、ほうれん草や小松菜などに100Bq/kgを越える高い数値が検出されたが、5月以降の検出結果は大部分が不検出となり、低い水準に落ち着いてきている。

[一人当たり野菜の消費量]
 農林水産省の食料需給表(平成21年度)で報告される、野菜といも類の消費量及び、国内生産量と輸入量(被ばく量の試算からは除外する)から、一人一日当たりの被ばく消費量を計算すれば、下記となる。

注)以下、一日一人当たり消費量×国内生産量÷(国内生産量+輸入量)
・野菜類:0.2512kg×12,491千t÷(12,491千t+2,532千t)
     =0.209kg
・いも類:0.0505kg×3,467千t÷(3,467千t+963千t)
     =0.040kg

 以上から、被ばく量の算定にあたり、対象とする一日当たりの野菜の消費量は上記、野菜類といも類を合計した

 0.249kg/day≒0.25kg/day

 とする。

[野菜の放射性基準ベクレル]
 宮城県、栃木県、茨城県の5月以降の野菜の放射線量調査結果から、基準ベクレルを設定してみる。

宮城県では5月以降、大部分の野菜は不検出であるが、まれに10Bq/kg前後の検出結果が得られている。検出限界値値は調査資料に掲載されていないが5Bq/kg以下の調査結果が得られているので5Bq/kg程度であると思われる。


栃木県でも、だいたいは不検出である。まれに検出されるものについても、5月初期のほうれん草の値を除けば、10Bq/kg以下の結果である。検出限界値値は調査資料に掲載されていないが10Bq/kg以下の調査結果が得られているので10Bq/kg程度であると思われる。


茨城県でもほとんが不検出であるが、5月頃にほうれん草について10B/Kg以下の検出が相次いだ。検出限界値値は調査資料に掲載されていないが10Bq/kg以下の調査結果が得られている野で10Bq/kg程度であると思われる。


 以上から、野菜の基準ベクレルは宮城県、栃木県、茨城県の調査結果では、検出値が大きくとも、おおむね10Bq/kgであり、これに検出限界値の2倍(Cs-134とCs137の合計)をとって20Bq/kgとすれば、これら3県から出荷されるほぼ全ての野菜について、実際のベクレル値を上回るだろう。このため野菜の基準ベクレルを20Bq/Kgとする。

[野菜からの年当たり被ばく量]

 以上から、野菜の年当たり被ばく量は下記となる。

  0.25kg/day×20Bq/kg×0.006=0.030mSv/year
  ※換算方法は、こちらを参照

 この値は、年間被ばく限度量を1ミリシーベルトに制限した場合、その制限値のわずか3%程度にとどまる値である。

 そして基準ベクレルは宮城県、茨城県、栃木県の調査結果から設定しているので、これら3県及び福島県を除いた地域については、さらに低い値となる。

[福島県産の野菜の放射性基準ベクレル]
 福島県については、6月以降、だいたいは不検出の値であるが、しばしば10Bq/kgを越える値が検出されている。やはり検出限界値値は調査資料に掲載されていないが10Bq/kg以下の調査結果が得られているので10Bq/kg程度と思われる。

 福島県産の野菜については検出される値の差が大きく、基準ベクレルの設定が難しいが、検査結果をざっと眺める限りでは、おおむね40Bq/kg程度の設定で、同県の野菜の検出ベクレルを上回ることができるように思われる。

 先の計算結果では20Bq/kgに基準ベクレルを設定した場合、年当たり被ばく量は0.030mSvであり、1ミリシーベルトの3%程度であるから、この基準ベクレルを40Bq/kgにしたところで6%程度(0.06mSv)である。ゆえに福島県産の野菜についても、被ばく量を抑えるために、さほど注意深くならずともよいように思える。




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我が大地、セシウムのその後「年間被ばく量の試算(飲料水について)」 


 最初に飲料水の被ばく量を試算してみる。

 水は自然放射線量で計上されていないが、今回、原発事故では、いくつかの県の水道中から放射線量が測定されている。
 事故後、4月頃までは放射性ヨウ素が検出されていたが、5月以降は検出されなくなった。ヨウ素は半減期が8日と短いからであろう。一方で、希にではあるが、セシウムは5月以降も継続して検出されている。

[一人当たり水の消費量]
 人は一日に2kgの水分を吸収する必要があるので、日消費量をそのまま2kgとする。

[水の放射性基準ベクレル]
 各地の水道局の調査結果から、基準ベクレルを設定してみる。

福島県郡山市水道局では5月以降の放射性物質がすべて不検出である。


・ 福島市他福島県内の3市3町に配水する福島地方水道用水供給企業団の調査結果も同様に5月以降すべて不検出である。ちなみに、福島市水道局が公表するQAによると、検出限界はヨウ素、セシウムとも5Bq/kg前後とある。


宮城県の調査では県内浄水場において6月以降はほとんど放射性物質は検出されていないが、たまに1Bq/kg以下のセシウムが検出されている。検出限界は9月発表資料から、0.2Bq/kg若しくは0.6Bq/kgと掲載されている。


仙台市水道局の調査では、5月中旬以降、ヨウ素の全て不検出となり、セシウムもだいたいは不検出だが、8月に至っても、1Bq/Kg以下セシウムは検出されている。報告書の注釈に不検出は0.5Bq/kgとあるが、調査結果では0.5Bq/kg以下の数値も記載されている。調査制度が高いので、検出が続いているのであろう。仙台市は誠実である。


茨城県でも6月以降、放射性物質は検出されていない。検出下限界値は6月10日以降、0.7Bq/kgとしているが、8月12日以降は2Bq/kgとなっている。


・ 栃木県の調査でも、県内水道事業所全て放射性物質は不検出となっている。ただし、検出限界は13~20Bq/kgと高い。


 以上、福島県及びその隣県の水道水について、放射性物質の調査結果を簡単に述べてみたが、おおむね放射性物質は不検出の結果と言ってよいであろう。

(各県の水道水の基準ベクレルについて)
 各県の検出限界についてであるが、調査報告書の掲載されているもの、その他資料に記されているもの、記載が見つけられないもの、それぞれある。見つけられたもののみで検出限界値を述べれば、

・宮城県 0.6Bq/kg,0.2Bq/kg (6月以降)
・仙台市 0.5Bq/kg
・福島県 5Bq/kg
・栃木県 13~20Bq/kg
・茨城県 0.7Bq/kg(6月以降),2Bq/kg(8月以降)

である。

 以上の結果から考えれば、福島県は5月以降不検出が続いているものの、検出限界は5Bq/kgであるから、福島県の基準ベクレルは危険側(放射線量が高く算定される側)を取って10Bq/kg(Cs134,137の検出限界の総和)とする。

 茨城県及び宮城県も5月以降の大部分は不検出であり、検出限界はそれぞれに異なる。しかし、1以下の測定値が得られていることから考え、検出限界は大きくとも1以下と判断し、基準ベクレルを2Bq/kg(Cs134,137の検出限界の総和)としてみる。
 栃木県も不検出だが検出限界が高い。ただし、以前のページで示したマップを見る限り、栃木県と茨城県の放射性物質の汚染程度におおきな違いは無いようだから、水道水についても、同レベルとして良いかと思う。

 以上から、水道水(飲料水)の基準ベクレルを2Bq/kgに設定してみた。
 
 注)基準ベクレル設定方針(宮城、栃木、茨城の三県で設定する。)

[飲料水からの年当たり被ばく量]

 以上から、飲料水の年当たり被ばく量は下記となる。

  2kg/day×2Bq/kg×0.006=0.024mSv/year
  ※換算方法は、こちらを参照

 この値は、年間被ばく限度量を1ミリシーベルトに制限した場合、その制限値のわずか2.4%程度にとどまる値である。

 そして基準ベクレルは宮城県、茨城県、栃木県の水道水から設定しているので、これら3県及び福島県を除いた地域については、さらに低い値になるはずである。

 と言うことで、水道水からの被ばくについては、ほとんど気にする必要が無いようです。

 ただし、福島県については別途検討が必要です。




▼被ばく量計算目次
被ばく量の各種基準値 / 1ミリシーベルトについて / 被ばく量の計算方法 / 被ばく量の総合評価
【各品目毎の被ばく量計算】
水道 / 野菜 / 果樹 / 特用林産物 / 水産物 / / 乳製品等 / 牛肉 / 豚肉 / 鶏肉 / 小麦 / 大豆 / /
※「我が大地、セシウムのその後」では2011.9までに公表された調査データを基に試算しております。




 

我が大地、セシウムのその後「年間被ばく線量の試算方法について」 


 この試算方法にあたっては、品目ごとに日本人一人当たりの消費量を調査し、これに重量あたりの放射線量(基準ベクレル)を乗じて算定する。


■年間被ばく量の試算方法

 品目毎放射線量=品目毎年消費量×品目毎基準ベクレル

 年間被ばく線量=品目毎の放射線量の合計

[品目] 飲料水/野菜/果物/特用林産物(キノコ、山菜、栗など)/肉類(牛肉、豚肉、鶏肉)乳製品/卵/水産物/茶/麦・大豆/米/空間被ばく/その他


(ベクレルからシーベルトへの換算について)
 福島原発事故ではヨウ素131、セシウム134、セシウム137といった放射性物質が広域拡散したが、このうちヨウ素131は半減期が8日であり、2011年5月以降は、ほぼ検出されなくなった。一方、セシウム134の半減期は2年、セシウム137が30年であり、水道水、農林水産物から継続して検出され続けている。
 このため、今回試算では、これらセシウムの値を基に放射線量を計算する。

 試算における品目毎放射線量はベクレル(Bq)で算出されるが、これを年間当たり放射線量を1ミリシーベルトと比較するため、ベクレルをシーベルトに換算する必要がある。ベクレルとシーベルトの換算は、下記により算定される。

 シーベルト=ベクレル×実効線量係数(今回は経口摂取で計算)

 この式において、経口摂取は放射性物質ごとに異なり、セシウム134と137の経口摂取は下記である。

  セシウム134 [Cs-134、半減期:2.06年]
  ・経口摂取=1.9×10^-8 Sv/Bq

  セシウム137[Cs-137、半減期=30.0年]
  ・経口摂取=1.3×10^-8 Sv/Bq

 チェルノブイリ事故や今回の福島原発事故では、セシウム134と137の放出比はおおよそ1:1程度の割合である。
それぞれ半減期が大きく異なるが、さしあたり、今回試算での経口摂取はセシウム134と137の平均値となる1.6×10^-8 Sv/Bqとする。
 これに単位換算値を考慮すればベクレルとシーベルトの換算式は下記となる。

  mSv/year(年間当たりのミリシーベルト)
   = 品目毎Bq/day×1.6×10^-8 Sv/Bq×365day/year×1000m
   = 0.006

 つまり、品目毎Bq/day(=品目毎日消費量[kg/day]×品目毎基準ベクレル[Bq/kg])に0.006を乗じれば、年間当たりミリシーベルトに換算できる。

 難しいのは基準ベクレルの設定となるが、これについては、以下により設定した。


■基準ベクレルの設定方法

・ 基準ベクレルは、原発事故のあった福島県の隣接県のうち、飛散した放射性物資の影響を強く受けた宮城県、茨城県、栃木県における品目毎の放射線量調査結果を指標として設定する。


・ 上記3県の放射線量調査については、放射性ヨウ素が検出されなくなった2011年5月以降の結果を基に、基準ベクレルを設定する。


・ 試算する被ばく量が可能な限り実際の被ばく量を下廻らないよう設定する。


・ このため、基準ベクレルにある程度の幅が想定される場合は、その中間値をとらず、最大値(ただし特異的に大きな数値は除く)で設定する。


・ 放射線量結果の大部分が不検出の品目は、検出限界値の2倍(セシウム134と137の検出限界の総和)を基準ベクレルとする。


・ 放射線量が公開されない品目は、暫定基準値を基準ベクレルとする。






▼被ばく量計算目次
被ばく量の各種基準値 / 1ミリシーベルトについて / 被ばく量の計算方法 / 被ばく量の総合評価
【各品目毎の被ばく量計算】
水道 / 野菜 / 果樹 / 特用林産物 / 水産物 / / 乳製品等 / 牛肉 / 豚肉 / 鶏肉 / 小麦 / 大豆 / /
※「我が大地、セシウムのその後」では2011.9までに公表された調査データを基に試算しております。




 

我が大地、セシウムのその後「1ミリシーベルトと自然放射線量について」 


 前回ページで述べたように、いまだ年間被ばく線量をめぐる安全基準は混乱しているようだが、どこに基準を定めるかは、ひとまず置いて、実際のところ、年間被ばく量はどの程度見込まれるのか、試算することが必要であろう。
 その試算結果を元に、是非論(1mSv/yearを制限値にする)の可否を判断してみたいと思うが、それにしても、この1mSv/yearはなかなか塩梅の良い制限値である。

 というのは、自然放射線量との関係があるからで、今までこのページで述べた制限値はいずれも自然放射線量を除いて示してきたが、実のところ日本の平均的自然放射線量は1.5mSv/yearある。
 だから1mSv/yearを制限値にするということは、自然放射線量と併せて2.5mSv/yearを制限値にするとの意味になり、この総和は世界平均の自然放射線量2.4mmSv/yearとほぼ同値となる。
 なので、1mSv/yearを制限値にすれば、対外的にも国内的にも、安全性の説得力がずいぶん増してくると思うのである。

▼自然放射線量について
さて、それでは、実際に年間被ばく量を試算したいと思うが、まず最初に自然放射線量の内訳について説明してみる。



 自然放射線による年間当たりの被ばく量

  [外部被ばく] 0.75mSv (0.84mSv)
   宇宙から 0.35mSv (0.38mSv) 宇宙線
   大地から 0.40mSv (0.46mSv) 花崗岩等のガンマ線量
  [内部被ばく] 1.65mSv  (0.64mSv) 
   空気から 1.30mSv (0.40mSv)  ラドンなどの吸入
   食物から 0.35mSv (0.24mSv)

  [自然放射線量] 2.40mSv ( 1.48mSv) 内部被ばくと外部被ばくの合計

  ※ 数字は世界平均、カッコ内は日本の平均
  参考1:1998年 国連科学委員会報告
  参考2:核融合科学研究所


 以上のうち、今回の原発事故で放射線量を高める要因として、まずは大地からの放射線量がある。これは表土に放射性セシウムが降り注いだからで、このセシウムが空間を通じて外部被ばくを高める。
 さらに、表土にある放射性セシウムは水に混じり、あるいは農産物や水産物、畜産物に吸収されるなどして、口に入り、今度は人間の内部被爆を高めることになる。

 こういった原発事故による放射線量の高まりがどの程度見込まれるのか、これを次のページ以降で試算してみよう。




▼被ばく量計算目次
被ばく量の各種基準値 / 1ミリシーベルトについて / 被ばく量の計算方法 / 被ばく量の総合評価
【各品目毎の被ばく量計算】
水道 / 野菜 / 果樹 / 特用林産物 / 水産物 / / 乳製品等 / 牛肉 / 豚肉 / 鶏肉 / 小麦 / 大豆 / /
※「我が大地、セシウムのその後」では2011.9までに公表された調査データを基に試算しております。




 

我が大地、セシウムのその後「1ミリシーベルトと20ミリシーベルトをめぐる議論」 


 前回ページでは放射線被ばく量に関する各種数値を整理してみた。

 世間には年間の被ばく量は1mSvを固守すべきと強く主張する識者は多く、その代表が武田邦彦教授となる。

 一方で1mSvの線量限度は現実的でなく、そもそも100mSv/year以上でなければ健康被害は生じないし(この言い方は正しくない。正しくは「それ以下については科学的に無いとも有るとも証明されていない。」と言うべきであろう。)、ICRPは緊急時の安全基準を20mSv/yearにしているのだから、それを基準として当面の安全対策を考えるべきだとの声もよく聞かれる。

 このように、私の勝手な印象とはなるが、放射線量の制限値をめぐる議論は、おおよそ1mSv派と20mSv派に分かれるように思う。

 前回ページでは、各種安全基準を整理してみたが、「是非論」で考えれば、確かに制限値を1mSvとするのが正解であろう。

 しかし、今回の大規模被ばくである。もう少し現実に目を向け、そして、一応はICRPに緊急時の基準もあるのだから、その最小値をとって20mSvを制限値とするのが2mSv派の考えであり、これは「是非論」よりも「可否論」を優先した結果かと思う。

 このように「是で否 OR 非で可」な事柄について是非論者と可否論者が議論すれば、互いの一致点など見出せるはずがないし、建設的な結論など望むべくもなくなるのである。




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我が大地、セシウムのその後「放射線量をめぐる各種制限値について」 


 今回の原発事故では(今回だけにしてもらいたいが。)、放射線量の許容値をめぐり、様々な数値が飛び交っている。

 初期の頃は、識者の間でさえ時間当たりシーベルトと年間当たりシーベルトといった単位換算を間違える初歩的なミスがあったし、20ミリシーベルトをめぐり、原子力安全委員会と文部科学省の見解の不整合などもあった。

 これにより、少なからず社会的混乱があったが、そろそろ冷静になっても良い頃である。ここで、今一度、放射線被爆をめぐる各種数値の内容を整理してみたい。


以下は、主として 放射線から人を守る国際基準 H23.4.27 を参考としております。


▼500~1000ミリシーベルト
 ICRPが目安とする緊急措置や人命救助に従事する人々の制限値である。
 吐き気、頭痛、皮膚のやけど、下痢、脱毛など.急性的な身体的障害は1000mSv以上の被爆で生じるとされる。また癌の発症率は、1000mSv当たり10~5%程度と見込まれる。

▼年間 20~100ミリシーベルト
 事故や核テロ等など非常事態が起こった際に、重大な身体的障害を防ぐことに主眼を置き、一般人を対象としたICRPが目安とする線量である。
 100mSvでの癌の発症率は1~0.5%程度と言われ、それ以下の線量について、発症リスクは科学的に確認されていない。ここでの確認とは100mSv以下であれば癌発症リスクが無くなるという意味でなく、それぞれの相関が確認できないとの意味であろう。
 原子力安全委員会は福島原発事故において、この目安範囲で最も小さな値20mSv/yearを避難等対策の基準として選択した。

▼5年間で100ミリシーベルト
 ICRPが限度とする放射線従事者など職業被爆者の線量限度である。
 100mSvを5年間で割れば、20mSv/yearとなるから、先に述べた原子力委員会の避難対象基準20mSv/yearと同じ数値となる。

▼生涯100ミリシーベルト
 食品安全委員会では生涯の累積被爆線量が100mSvに以上となれば、健康への影響が生じるとし、制限線量は生涯で100mSv以下に留めるべきとしている。
(参)食品安全委員会/放射性物質の食品健康影響評価の状況について H23.7.26

 仮に一生涯を80年と想定すれば、年当たり被爆量は平均で1.25mSvとなる。
 あるいは、一生涯を今回原発事故の主たる放射性物質であるセシウムの半減期30年に2倍を乗じた期間、60年で割り戻せば1.67mSv/yearとなる。いずれにしても、以下に述べる1mSv/yearと似通った数値になり、この制限値と生涯100mSvは実質的に同様の効果を持つであろう。

▼年間 1ミリシーベルト
 ICRPが限度とする公衆の線量限度であり、身体的障害はもとより将来起こるかもしれない癌発症リスクをできるだけ低く抑えた数値であるが、この線量限度を決めるに当たっては、社会的観点からの検討がより重要である。

 特に便益もないのにかかわらず自然放射線より高い線量を被爆した者は、放射線従事者と異なり自らの望まない何らかのリスク(例えそのリスクが無視できるほど小さかったとしても)を背負うことになる。これは被爆「損」であるが、この「損」を社会的に受け入れられる上限値を示すならば、1mSv/yearが適当だろうとICRPは判断したわけである。

(参)武田邦彦教授ブログ
 ・1年20ミリの被爆の被害に、何で報いるのか?
 ・政府はなぜ「国民の被爆量」を決められるのか


 次に国内法の扱いについて説明してみる。「原子力基本法」第20条において「放射線による障害を防止し~(中略)~規制その他保安及び保健上の措置に関しては、別に法律で定める」としている。
 そして別法となる「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」では、第19条1項で、廃棄の基準を文部科学省令で定めるとし、同法の施行令及び「施行規則第19条第1項第2号ハ」に基づき、文部科学大臣が定める「放射線を放出する同位元素の数量等を定める件」の第14条4項において、「~(省略)~線量限度は、~(中略)~1年間につき1ミリシーベルトとする。」としているのである。




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我が大地、セシウムのその後「宮城県の水田土壌の汚染について」 



 福島原発爆発後、農産物の風評被害は波紋を広げているが、この放射能汚染については、いくつか誤解もあるように思う。

その一つが、

「放射性物質が継続して拡散し、農作物を汚染しているではないか?」

 といった誤解である。

 今回の事故で、各地に放射性物質をもたらしたのは、原発の爆発直後吹き出した粉塵である。これが3月15日頃の風に乗り、福島県はもとより北関東や宮城県、岩手県に飛散して大地に降り注いだ。

 この粉塵が汚染稲藁など、その後の「放射能事件」の原因となるのだが、3月半ばの汚染拡大以降、健康被害につながる程度の放射能拡散は生じていない。

 つまり、3月半ばに降り注いだ放射性物質が大地に残ったが、それ以降、空間を飛散しながら大地に降り注ぐ放射性物質はほとんど無くなったのである。

 これが、農作物の放射能汚染とどういった関係にあるかと言うと、例えば、今春に静岡茶の汚染が話題になった。これは、空間を浮遊してきた放射性物質が雨と共に大地に降り注ぎ、収穫前の茶葉を濡らし、それを茶葉が吸収して放射性濃度を高めたのが原因である。

 しかし、空間を浮遊する放射性物質が無くなったとすれば、2011年3月以降に収穫する茶葉の放射性物質は高まらないと予測できる。このような汚染は、宮城県の登米市などで問題となった汚染藁についても、同様のことが言えるだろう。

 このように、3月以降は、空間を浮遊する放射性物質からの放射能汚染は、あまり問題とならない。しかし、3月に降り注いだ放射性物質は、間違いなく大地に残っており、これが目の前の事実である。

 わが宮城県にも放射性は降り注いだが、下記のマップは、群馬大学の早川由紀夫教授が調査作成した、放射能汚染マップである。







 おおよそ、宮城県の周辺が取り囲まれるように汚染が広がっているのがわかる。

 以下のマップは、「文部科学省及び宮城県による航空機モニタリングの結果」を基盤図としながら、これに宮城県で測定した水田土壌の放射性セシウム濃度を上書きし、さらに平成23年産米の放射性物質測定結果の玄米調査の結果をプロットしてみた。



P8280014.jpg





 平成23年9月13日現在本調査結果の公表資料に基づけば、現在のところ、宮城県産米は全て放射性セシウムは検出限界以下であり、「不検出」の結果となっている。




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我が大地、セシウムのその後「野菜販売への影響、くまっこ農園から」 



 「セシウムについて意見を聞きたい。」

 「時間と場所は?」

 「そちらの都合の良いところで。」

 稲刈りが始まった宮城県では、刈り取り後の玄米について、放射性物質の調査も始まった。今のところ、ほとんどが不検出であり数値的に平成23年産米の放射性物質汚染は問題にならないようだが、気になるのが風評による米価への影響である。

 原発事故以後、放射性物質がもたらす影響について、さまざまな「数値」が飛び交い、それらを少しずつ勉強してきた。そして、おおよそ、数々の「数値」の関係を自分なりに租借できる段階まできている。なにより、既に稲刈りは始まっているのである。

 ここで、一度、関係者の意見も聞いておこうと思い、携帯に電話したのが冒頭の会話である。

 最初に合ったのは、仙台市の秋保で無農薬野菜の栽培と販売をしている「くまっこ農園」の吉田さんである。一年ぶりくらいの再開となるか?

 もう7年のつきあいとなるが、脱サラして帰農した彼女とは有機農業や野菜のネット販売等について、いろいろと情報交換や連携活動をしてきた間柄でもある。

 「田鴨さん、食物から受ける被爆量の半分を「米」に当てるのは、アバウト過ぎますね。」

 さすがである。工学系出身で元エンジニアの彼女の数値判断にぬかりはない。

 私は年間被爆量の内訳を独自に計算していたが、その結果を、事前に彼女にメールしていたのである。

 「メールもらって、あの頃のことを思い出しちゃって・・・」

 あの頃とは、原発が爆発し、農産物の放射能汚染が騒がれ始めた頃のことだ。

「生産者仲間と一緒に、野菜の自主出荷基準をどの程度に抑えるか、いろいろ議論してね。」

「それで、実際に野菜の放射線量を測定してもらったら『不検出』、だから、その後は、議論もしなくなったけど。」

 吉田さんが営む「くまっこ農園」は野菜の出荷がメインであり、厳寒期を除き通年して野菜を出荷している。だから、放射能汚染についても、早い時期からいろいろ研究していたのであろう。。

「でも、やっぱり通販のお客さん、減っちゃったね。」

「どの程度?」

「首都圏のお客さんは8割減、仙台近辺は2割減。」
 
「この事態だからね。去る者は追わず、来る者は拒まずで、いきましょう。」

「来る人は少ないけどね・・・」

「・・・」

 熊っこ農園の野菜(検査したのは土壌と小松菜)放射性物資は不検出であったが、やはり風評の影響が出ているようである。
 この影響は、被災を受けた東北よりも、そこから離れた首都圏の消費者のほうが、より過敏のようだ。

「ちょっと話は変わるけど、熊っこ農園の野菜を使ってくれるレストランが開店したの。」

「・・・、レストラン?どこに?」

「仙台の連坊小路に開店した『やさいdiningさくら』」


                 
『やさいdiningさくら』
仙台市若林区連坊2-9-16 
電話 022-792-5831
農薬を使わない「くまっこ農園」
の野菜を使ってます。
                 



「なぜ、それを早く言わん!」

 明るい話もあるのである。

「それと・・・」

「・・・まだ何か隠してんの?」

「『ソトコト』の取材うけちゃって・・・」

 読んだことがないが、確か「ソトコトと言えば、ロハスとかその業界では、有名な全国誌であり、その表紙の体裁はおしゃれだ。趣味の立ち読みをしている時、その表紙だけ目にしたことがある。

 この「告白』を受け、やはり続く言葉は、

「なぜ、早く言わん!」

である。

 曰く、今月号(2011年10月号)に取材結果が掲載されていると言うので、帰路、書店により、早速、「ソトコト」を手にした。

 この号で、「にほんの食材遺産100」という企画をしており、その「食材遺産100」農家の一つに「くまっこ農園の雪下人参」がピックアップされている。

 立ち読みですまそうかと思ったが、記念にと思い購入した。

 くまっこ農園の吉田女史のところは、個人通販のお客さんは減ったものの、たぶんこれは一時的な現象であろう。我が友、吉田氏はやる事がしっかりしているので、今後とも堅実に経営を発展させていくものと確信するのである。



     
農薬を使わない野菜を宅配します。
仙台市秋保から
くまっこ農園
     




 
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