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平成20年、無肥料稲作の記録 


 
 平成20年、晴天の続いた梅雨が過ぎ、梅雨が明けたはずの8月になってから雨が続いていました。

 毎年のように「今年は異常気象だ」と言っているような気もしますが、人それぞれに個性があるように、毎年の天候にも個性があるだけなのかもしれません。

 

 そして、毎年の稲作にも、その年々の個性があります。

 

 平成20年8月某日、某所。

 

 無農薬・無肥料を始めて数年が経過し、生育が思わしくなくなった田んぼについて、夏の夜に語り合った記録です。遅筆ゆえの半年遅れの掲載です。

 





(A) 昨日ね、電話を受けて動揺したね~

 

(B) 電話って、田んぼのこと?

 

(A) そう、3俵/10aって言われたこと。うすうすは感じていたけど、電話ではっきりと言われるとね、やっぱりそうかと思う。


(B) 割と数字に正直な性格なのかもしれない。先日、田んぼを見た感じから予想した収量ですけど、あちこちの農薬を使わない田んぼを見ているから稲の成長具合で、だいたいの収量が予想できるようになった。
 でも、あくまで私の見た感じの収量ですよ、まだ8月だし稲刈りまで2ヶ月ある。

 

(A) いや、たぶんあたっている。

 

(B) やっばり、肥料を田んぼに与えないと、いずれ稲作に限界が出てくるのでしょう。農薬を使わない稲作を見始めて、最初の頃は土壌の養分といっても、窒素、リン酸、カリだけ考えていた。
 だけど、その後、窒素、リン酸、カリ以外にもいろいなミネラルも重要だと気が付いた。鉄もそうですが、カルシウム、マグネシウム、マンガン・・・
 基盤整備をした田んぼは、そういったミネラルが暗渠排水を通じて、どんどん流出していく・・・


(A) 確かに、肥料を与えない稲作には限界があるのかもしれない。今年の稲を見てみて成長が遅い。そして遅くなった結果として、稲葉が地面を覆いきれず、結果として雑草が増えた。

 

(B) Aさんの田んぼは無肥料だけど、同じ農薬を使ずとも有機肥料を入れた田んぼもいくつか見てきた。その中にずいぶんと雑草の勢いのある田んぼがあった。

 ここ数年、一緒に農薬を使わない稲作に挑戦してきた仲間の田んぼなんですが・・・  

 雑草が増えると、せつなくなる。

 

(A) 有機の田んぼは、雑草も大きかったでしょ?

 

(B) 大きかった。そして数も多い。ただ雑草が多くとも、稲に勢いはある。

 

(A) それが、有機の稲の特徴だと思う。雑草の勢いはあるが、稲も勢いがある。自分のところは、稲の勢いが無いから、雑草が増えたようだ。とは言っても雑草はこぶり。

 

(B) ・・・

 

 やっぱり、無肥料を続けますか?

 

(A) とりあえず続ける。

 

(B) 確かに有機の田んぼは注意しないとメタボな田んぼになる。化学肥料と違って有機肥料は分解仕切れなかった養分が次の年に繰り越しされる。その繰り越し分が毎年積み重なって、田んぼの養分が過剰になってしまう。

 メタボな田んぼは、水環境にも支障を与えるし、有機の田んぼにはそういったリスクがある。

 

(A) なるほど、有機栽培にもリスクはある。だけど自分が思うところは、ちょっと違う。
 以前は化学肥料も農薬も使っていた。

 

(B) ・・・

 

(A) そして、農薬を止め、化学肥料の代わりに有機肥料を使ってみた。

 

(B) 次に有機肥料も使うのを止め?

 

(A) そう、そしてだんだんと自然な姿に近づいてきた。
 育苗の消毒も止め、苗代育苗して、乾燥も天日乾燥にして

 

(B) そして自然の稲作を追求していった先に無肥料栽培があった。

 

 でも収量は減った。

 

 それでも無肥料栽培を続けます?

 

(A) 確かに収量は減った。自然の稲作、それがどういった意味を持つのか、わからないけど・・・

 農薬を使うと使わないとか、肥料を使うとか使わないとか、そんなことよりも、なぜ稲作を続けるのか・・・

 

 「食べる人」がいる。一方で「作る人」がいる。それぞれがあるから、田んぼがある。

 

 そして確実に言えるのは、「自然の稲作」、これを求めている人が大勢いる。


(B) ・・・なるほど、でも

 

 「食べる人がいる」から「作る人がいる」のですか?

 

 それとも

 

 「作る人がいる」から「食べる人がいる」のですか?

 

 どっちなんでしょう?

 

(A) 笑)なるほど!

 

(B) 我ながら、いろいろ考えるほうなんですが、たぶん「食べる人がいる」から「作る人がいる」のが当たっているような気がする。

 

(A) どうして?

 

(B) いえね「日本人は米を食べなくなったから農業が疲弊した。だから米を食べろ。」みたいなことを言う人が多いものんで・・・農業界にはね。
 これって「作る人がいる」から「食べる人がいる」といった考えでしょう。でも始めに「作る人」ありきの姿勢が、農業を疲弊させたように思う。

 

(A) やっばり、「食べる人がいる」から「作る人がいる」という考え?

 

(B) なんというか利潤を追求することではなく、人を幸せに出来る「物」を作り続けることが本来の経済行為だと思うんです。

 そう考えれば、「食べる人」を幸せにするために、「作る人」がいる、という考えが自然な気がする。

 

 とするならば、「自然の稲作」、これも、一つの道かな?

 

 それを求める人達に応じているわけだから。

 

(A)  どこまで出来るかわからない。販売価格も100円増したけど、まだなんとかやれる。やれなくなったら辞める。
 インターネットでお米を販売するようになって、直接、「食べる人」からメールが来る。大きな励みになる。

 

(B) 販売価格を上げたら、その分お客さんの注文は少なくなるかもしれない。

 

(A) それもある。だから今回の価格設定は悩んだ。結果として注文が減るかもしれないけど、それは自己責任。
 自己責任にはなるけれど、自由がある。「食べる人」のことを考え、それに応じて作る自分のことを考えて、自由に稲作ができる。

 

(B) 大部分の農家は農協に米を卸すから、直接は「食べる人」の考えが見えない。インターネットの直売は、メールを介して「食べる人」の考えが伝わるから、これが稲作の大きな力になりますよね。でも・・・

 

(A) でも、何?

 

(B) 不安は無いですか?

 

(A) どんな?

 

(B) 農薬を使わないだけでも稲作は大変じゃないですか?それに加えて無肥料。さらにインターネット直売。
 考えてみれば、自分達仲間はいろんな話を聞き、いろんな現場を歩きながら、自分達なりの独自の「稲作」を追求してきた。

 

(A) そうそう。

 

(B) よく今まで行政も農協もNPOも学者や諸先生も、誰の頼りも無くやってこれた。

 
(A) まあね・・・

 

(B) そしてこれからも自分達だけの力で、この先を切り開いて行かなくちゃいけない。

  
(A) それは違うよ。

 

(B) え!?

 

(A) また自分で言って忘れている。「食べる人」がいるじゃないですか?
 自分達でけではなく、直接合ったことの無い人が大部分だけど、「食べる人」達と稲作を歩んできた。

 

(B) そっか・・・


(A) だから、お米を食べる人がいる限り、田んぼは田んぼであり続ける。
 農業政策がどうとか、農協がどうとか、ましてや環境が云々とか、そんなの関係無くね。

 

(B) お米を食べる人がいなくなったら?

 

(A) その時は稲作を辞める。誰のせいでもない。時代が変わった、そう思うしかない。

 

 ところで、あれ見てごらん。その辺の田舎の風景描いた絵だけど。

 

(B) 荒削りだけど、色彩や人の姿が力強いですね。

 

(A) 親戚の婆さんの絵でね。山があって田んぼがあって、夕暮れ時に、野良仕事した人達が家に向かっている。たぶん、50年くらい前の風景かな?

 でも、書いたのは最近だよ。婆さんの心に遺った風景を描いたんだと思う。

 

(B) 同じ農村でも、今は見られなくなった風景ですね、軽トラも無いし、今は田舎道をこんなに人が歩いていない。

 


(A) おやっつぁんだけでなく、子供も、おっかさんも、婆さんも爺さんもね、みんな一緒に田んぼ路を歩いて家に帰っている。

 貧しかった時代だろうけど、なんか心が落ち着くし、パワーを感じる。この絵を見ていると。

 

(B) 子供達は、金の卵になって東京に行ってしまったのかな?

 

(A) 食うためにね。都会に出た人も多いさ。

 


(B) 田舎の風景も、稲作の方法もいろいろ変わっていったでしょうね。

 


(A) 変わったね、だけど変わらない物もある。

 だから、数十年も経って、婆さんはこの絵を描いたのだと思う。

 絵の風景は、今は変わってしまったけど、絵を見れば何か力強い共感を感じるでしょう?

 


(B) そうですね。

 


(A) 変わらぬ物が何かと聞かれれば、はっきりとは言えない。けど確実にある。

 それを探し求めるのが自分たちの稲作だと思う。お米を食べる人に道を聞きながらね。

 


(B) ・・・そっか~、おぼろげですが、わかる気がする。

 

 ところで、そろそろ午前様ですね。

 


(A) 午前様か~、明日も早いな。

 

 もう一杯飲む?

 


(B) 飲む。






【語句解説】
▼ 農薬を使わない稲作とは?
▼ 無農薬稲作栽培とは?
▼ 無肥料稲作栽培とは?



 
JUGEMテーマ:安心なお米
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2009-01-20(Tue) | コメント : 0 | トラックバック : 0

今年の稲作の始まり 

 <1月3日の大郷自然塾の田んぼ>
 
 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 今年の農作業もいよいよ始まりました。まずは脱ぼうを3日に行いました。








 






 






【語句解説】
▼ 脱ぼう作業について



 JUGEMテーマ:農業・アグリビジネス
 
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2009-01-18(Sun) | コメント : 0 | トラックバック : 0

「世界連鎖恐慌の犯人」と「農民の心がまえ」 


 明けましておめでとうございます。田鴨です。

 年末年始、時間ができたので読書三昧の日々です。

 まずは年越しの朝まで生テレビで掘紘一さんがPRしていた「世界連鎖恐慌の犯人」を早速買ってきて読みました。昨今のサブプライム問題から発する金融恐慌の仕組みや今後の経済の見通しがわかりやすくまとめられているで、世の流れの中で、自分がどういう立場にいて、どうしていくべきか良く理解できます。

 次いで、日本農書全集を読んでいますが、第五巻に収められている「一粒萬倍 耕作早指南種稽歌」の「農民の心がまえ」に感銘を受けました。ピックアップして紹介してみます。

◆以下、農文協発刊「日本農書全集5 一粒萬倍 耕作早指南種稽歌/農民の心がまえ」(天保八年 伊藤正作 著)より引用


・いい加減に手抜きをして耕作した悪い癖をあらためて、一反で良いからいろいろ工夫して増収を得てみよ。

・年貢を完納して余った米で領内の人々を養うようにし、米を買うために領外へ金を支払うようなことをしてはならない。

・この領内で穫れた米で領内の民を充分に養えるようになれば、この国産の金は地中から無限に湧き出てくるものだ。

・凶作にあえば必ず餓死するということをたえず念頭において、豊年には飢饉にそなえて蓄えをするようえに心がけねばならぬ。

・所帯のやりくりの見通しがついたら野に出て働け、やせこけた土(おちぶれた家運)からでも芽が出てくるものだ。

・銀や金もあえて宝とはいうまい。世の中の本当の宝というものは田から生まれるものである。

  最初に紹介した「世界連鎖恐慌の犯人」で、堀紘一さんはいろいろ儲け話もあるが、そんなことより人の役に立つ仕事をしなさいと唱えています。そして当面は厳しい経済情勢が続くだろうが、止まない雨が無いのに似て、いつか必ず景気は回復する、ゆえに今しばらくは締めるべくは締め、次のチャンスに向け識見を蓄積しておきなさいと結んでおります。
 この堀さんの述べるところと「農民のこころがまえ」は同じ事を言っているようで、いつの時代も人が生きる基本は変わらないのだと実感させられました。

 恐慌の兆しや派遣切り問題など、明るい話題の少ない平成21年の始まりとなりましたが、こんな時代だからこそ、自らの足下をしっかりと見据えることが大切なのかもしれません。
 今年一年、「農民の心がまえ」を意識しながら仕事に励み、そして私生活も大切にしていきたい思います。
 
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