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三年目の二山耕起、無肥料稲作の不思議 


 こんにちは、田鴨です。
 先日日、浦山水田を訪れ、稲刈後の田面を眺めながら、何か不思議な変化が起きていることに気がつきました・・・

 その不思議な変化を記す前に、まずはここ数年の浦山水田の状況について紹介します。

 無農薬の稲作を観察し続けて、8年近くが過ぎました。無農薬の稲作は、営農方法や水田によって収量のばらつきが大きく、そのような田んぼのいくつかを長年見続けていれば、7月下旬頃の稲の様子でおおよその収量が予想できるようになります。

 平成20年の7月下旬、浦山水田の稲が厳しい状況にありました。その時の会話がこちら

 そして、この年の8月下旬に浦山さんと一緒に青森県の苫米地に行き、二山耕起の提唱者、山道さんに会ってきました。二山耕起とは、稲刈り後の秋、田植え前の春に水田を畑のように畝あげし、これを何度か繰り返す耕起方法です。

 この畝上げにどのような意味があるのか、その頃の私には不明でしたが、それにしても山道さんの田んぼは不思議な田んぼでした。

 と言うのは、幾種類かの希少な水田雑草があちこちに見られたからです。



DSCN2114.jpg

H20.8.26撮影 山道水田のミズアオイ




DSCN2113.jpg

H20.8.26撮影 山道水田のサンショウモ




DSCN2097.jpg

H20.8.26撮影 山道水田のミズオオバコ





 浦山さんは平成20年の稲刈り後から二山耕起に取り組み始めました。

  平成21年春の二山耕起

 平成21年の浦山水田は前年とうって変わり、みちがえるような稲で、前年の2倍以上の増収がありました。
 この結果を報告するため、浦山さんは再び山道さんに会いに青森に向かいましたが、残念なことに、二山耕起の山道さんは遠いところに旅立たれていました
 私は平成21年の浦山水田の豊作は、土壌中に眠っていた有機物が二山耕起により有効化された、すなわち乾土効果が発揮されたものと理解しましたが、この効果により土の養分を使い切れば、次年度は再び厳しさが戻ってくるだろうと予想していました。
 
  平成22年1月の二山耕起

 平成22年は春が寒く、冷害が予感されましたが案に相違して猛暑の夏となりました。このため、一般の稲作は平年並み以上の収量が得られましたが、浦山水田は平成20年と同じくらいの厳しさ。
 もう十年近く無肥料栽培を継続している浦山水田です。平成21年の二山耕起による乾土効果で、すでに残りの肥料分を使い果たしたか?そう思わずにはいられませんでした。
 しかし、浦山さんの考えは違っており

「平成22年の二山耕起は中途半端にしかできなかった。だから稲もふるわなかったが、平成23年はしっかりやる。」

と信念を持ち続けています。そして、明けて平成23年

  平成23年春の二山耕起

 今年、平成23年は6月の気温が高かったこと以外、おおよそ平成22年と同様の気候変化だったように思いますが、平成23年の浦山水田は、平成22年と違いました。
 現時点ではまだ稲刈り途中なので、具体的にな数字は出てきませんが、おそらく、前年の1.5~2倍程度の増収になると思われます。

 今年の私は、今年の夏の気温予想を外しておりますが、乾土効果で残りの肥料分を使い切った田んぼ、無肥料のままでは増収は見込むことが出来ないとした浦山水田への予想も外してしまいました。

 無肥料稲作の継続。

 この農法は外部から田んぼに養分を投入しません。その一方で、田んぼの養分は収穫された玄米となり、ひたすら外に出ていきますから、田んぼ養分収支は赤字を累積していくことになります。
 水田の場合は灌漑水などからも養分を得られますから、畑作ほど養分収支の悪化は急激ではないにしても、長年の無肥料は収量を減らしていくでしょう。

 平成21年は二山耕起よる乾土効果が発現されても、それは一時的な現象であり、実際のところ平成22年は減収しました。ここまでは理屈通りなのですが、しかし平成23年は見事なV字回復。

 返す々人間(ここでは私のことですが)の想像力などたかが知れていることを思い知らされます。

 それでも、なぜV字回復したか、ひたすら累積債務を重ねていくはずの水田土壌が、なぜV字回復を遂げるのか?今度は、その理屈を考えたくなってきます。

 先日、浦山水田を眺め、どうも不思議な印象を持ったのですが、そこにV字回復のヒントが秘められているように感じました。さしあたり、何に不思議を感じたのか、写真で紹介します。


PA180021.jpg


 稲株の間に、細い藁のような草がたくさん見えますが、これはクログワイ。無農薬稲作に減収をもたらす雑草で農薬を使わなければ、毎年少しずつですが確実に水田内に占有域を拡大していきます。
 浦山水田ではクログワイの占有面積があまり広がっていませんが、これは水田が緩傾斜地形ありクログワイの不得意な乾田的傾向が強いのに加え、毎年の二山耕起でクログワイの球根が地表に露出し、その結果として駆除されているためと考えられます。
 このクログワイの抑制効果は容易に予想可能できるもので、このことは不思議ではありません。



PA180014.jpg


 不思議なのは、こちらの写真。田面を緑の絨毯のような芝草のような雑草が覆っています。水田内でも田面が高く、あまりジメジメしないところに多いようです。



PA180016.jpg


 上の緑の芝草のような雑草の拡大写真です。この草はマツバイで、農薬をが普及して以後は、まるで絶滅危惧種にてもなったかのように、さっぱり見られなくなった雑草です。
 ここ数年、毎年のように浦山水田を観察してきましたが、このような雑草植生の変化は初めて気がつきました。これが私が感じた不思議な変化です。

 もう一つ、ここ数年、気になっていたことがあります。無農薬稲作の大敵となる雑草にコナギがありますが、この雑草が年々小振りになってきて、数も少なくなっている印象を受けていたのです。

 もしかたらマツバイが増えたことで、コナギが減ったのかもしれません。これは仮設となりますが、二山耕起でマツバイが増える土壌環境となり、そしてコナギがマツバイが駆逐される。マツバイ自体もコナギと同様、稲作に歓迎されない雑草ですが、少なくとも、今年は昨年より増収しています。

 3年ぶり以上経ってから、もう一度、山道水田の写真を観察してみました。



DSCN2100.jpg




 なるほど、確かに手ですくった土壌の表面にマツバイらしき植物が見えています。

 来年は注意深く、浦山水田を観察してみようかと思います。もしかしたら、今まで目にしなかった新しい雑草が見つかるかもしれません。



           
レストラン「ライスフィールド」 
           



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除草機押してます 

<7月17日の遠藤水田>より



 みなさんおはようございます。

 いよいよ遠藤農園も草との戦いがはじまりました。起した田んぼはさまざまな草がでています。



 ★コナギオンリー田んぼ



 ★イボ草・コナギ田んぼ



 ★クログワイ・ひえ田んぼ



 ★クログワイいっぱい田んぼ



 ★それで何にも出ない田んぼ





「耕起したクログワイ田んぼ」





「耕起したヒエ・コナギ田んぼ」





「中耕除草機を押した後のコナギ」





「中耕除草機を押した後のコナギ2」



 5000円で拾ってきた中耕除草機をなおしてがんがん押しています。

 いまのところ稲が草に負けている様子はありません。





遠藤水田の様子は「花鳥風月ふゆみずたんぼ」ブログでご覧になれます。



 

除草機 

<6月20日の木村水田より、記:遠藤



 みなさんこんばんは。

 6月20日の午後から木村さんの水田で遠藤農園の除草機に乗ってきました。







 機械は持っているものの、実際に使用したことがなく、今回初めて除草させてもらいました。



 1年かけてオーバーホールして組み上げた除草機に乗るのは感動でした。除草効果もあったようでうれしいです。







遠藤



 写真の除草機の修理過程は「花鳥風月ふゆみずたんぼ」ブログで紹介しています。只今、草刈り機の修理も公開中



JUGEMテーマ:オーガニック








 

水田除草2「チェーン除草」 

 米ぬか除草の次に紹介するのはチェーン除草です。

 チェーン除草は、田力ブログの舞台と同じ宮城県加美町の長沼さんが行っている水田除草方法で、作業効率が良いので、色麻町浦山水田でも試行してみました。

 方法は、棒にたくさんの鎖をぶら下げ、これで田面をなでるようにして引っ張りながら除草します。こうすることで鎖が土壌表面を削り取り、そして発芽したての雑草を鋤取る効果を期待します。



 試行した浦山水田では、このチェーン除草を乗用型田植え機に取り付けて行いました。この方法で除草作業を行った場合の概要は以下のようです。



 作業適期: 田植えから2週間後程度

 作業時間:1時間 / 50a





[写真:平成20年6月24日 浦山水田の除草作業]



 チェーン除草は苗も一緒に鎖でなで上げるので、田植えしてからあまり早い時期に除草を行うと、肝心な苗まで除草してしまう恐れのがあります。また田植えから3週間も経過すると、今度は発芽してきた雑草が十分に活着してしまいますからチェーン除草の効果も薄れるようです。 



 下の写真は、チェーン除草で田面に浮いてきたコナギの芽を写したものです。





 コナギの芽も発芽して数日するとチェーン除草の効果は薄れてきて、除草できないコナギも多いのですが、1日に数haも除草作業ができるのは魅力です。



 また田面の土壌がトロトロ層のように流度が高ければ、さらにチェーン除草の効果が期待できるかもしれません。



 ちなみにチェーン除草では稲も一緒に鎖でなであげるで、稲の生育活性化の効果も期待できそうです。



 [:おてんき:]チェーン除草をした浦山水田では、天日干し無農薬ササニシキを全国に発送中です。



 

水田除草1「米ぬか除草」 

 今晩は、田鴨です。

 本田力ブログは農薬を使わない稲作をテーマにしておりますが、稲作において農薬を使わないための大きな課題となるのが、水田の雑草対策になります。



 この雑草対策には様々な方法があり、一番わかりやすいのは雑草を手で引っこ抜く方法ですが、なんといっても相手にするのは広大な「田んぼ」です。人の手だけではなかなか追いつきません。



 そのため機械を使って除草したり、各種有機資材を投入したり、そしてまた水の力を利用したり、鴨や水鳥、魚を利用したり、さらにカブトエビに期待したりと農薬(除草剤)を使わないために、いろいろな知恵を働かせるわけです。



 それで、田力ブログ関係農家が取り組んだ経験をもとに農薬を使わない除草対策の方法について紹介してみたいと思います。



 まず最初は、もっともポピュラーな方法の「米ぬか除草」から紹介します。



 米ぬか除草とは、米の精米過程で得られる「ぬか」を湛水した田植え直後の田んぼに散布する除草方法で、これが水に溶け分解して発生する「有機酸」により、雑草の発芽を抑えたり、あるいは発芽したての雑草の根を弱らせ、活着(根茎の土壌への固定)を阻害させる効果を期待して行います。以下、概要を紹介します。



作業適期:田植え直後



散布量:60kg/10a程度



散布方法1「手散布」



 作業方法:15kg袋から直接、手で散布

 散布幅 :2m 程度

 作業時間:30分程度/10a程度



 15kg程度の米ぬかが入った袋を抱えて、ボールなどの容器で米ぬかをすくって散布する方法です。単純な方法ですから一回の散布幅も狭いのですが、事後に紹介する施肥機と同じ作業時間なのは米ぬかを固形のペレット状にせずとも、粉末のものを使用できるためのようです。

 ペレット状の米ぬかは散布すると水に沈むので、散布むらが生じないように規則正しく散布する必要があります。しかし粉末であれば、ある程度水面に浮いて散布した米ぬかが自然に広がっていきますから、それほど規則的な散布は要ありません。これが作業時間の短縮につながっているようです。また風があると、それによっても散布する米ぬかが広がりますから、さらに作業時間は短縮できるでしょう。



散布方法2「施肥機散布」



 作業方法:背負式肥料散布機(無動力)で散布

 散布幅 :3m 程度

 作業時間:30分/10a程度



 米ぬかを15kg程度投入した容器を背負い、これから補給される米ぬかをパイプを通じて散布します。パイプを振り回すだけで散布できるので効率的ですが、パイプが詰まらぬようにペレット加工した米ぬかを使う必要があります。

 この作業は背負い式の容器に米ぬかを詰め替えが必要となるため、手で散布するのとさして変わらぬ作業時間になりましたが、腕の運動量は少なくなり、疲労負担は軽減されそうです。



散布方法2「動噴散布」



 作業方法:背負式肥料散布機(無動力)で散布

 散布幅 :15m 程度

 作業時間:10分/10a 程度



 動力源の動噴は重く、これにさらに米ぬかまで背負うとその負荷で歩行速度は遅くなりますから、そのぶん作業効率が落ちます。そしてなにより疲労負担が無視できませんし、燃料消費による経済負担も出てきます。

 とは言え、動力を用いて散布するので散布界が広くなり、同じ面積の田んぼでも田んぼを往復する回数が少なくなりますからトータルでは効率が良くなるのが魅力です。



 
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